研究課題
8~12週のWistar系メスラットを用いてイソフルレン麻酔下にT10~L2椎弓を慎重に切除し脊髄を露出した。この処置中は、直腸温をモニターしながら体温維持装置用いて直腸温を37℃に維持した。脊髄損傷作成装置IH-0400 Impactor(室町機械株式会社)を用いて、露出部分の脊髄に一定の外力を加え脊髄損傷モデルを作成した。損傷作成後直腸温を37℃で1時間維持する群と42℃で1時間維持する群を作成した。また、脊髄露出まで行ったラットをコントロール群とした。脊髄損傷受傷後6時間後(N=4)、24時間後 (N=6)、48時間後(N=6)、72時間後(N=7)、コントロールラット(N=2)は手術後24時間で致死量のペントバルビタールを腹腔内に投与して深麻酔下にラットを安楽死 させ、直ちにT12を中心に脊髄を1cm摘出した。摘出した脊髄を氷冷したPBS1mlに浸して、10μlのプロテアーゼ阻害剤を 加えた後に、ホモジナイザーにて4000回転8strokesの条件でホモジナイズした。ここからタンパク測定用に検体を50μl採取し、タンパク濃度測定まで-80°Cで保 存した。残りの検体は4°C10000Gの条件で15分遠心し、さらに得られた上清を再度4°C10000Gの条件で15分遠心し、得られた上清をTNF-α測定まで-80°Cで保存 した。上清内のTNF-α濃度をラットTNF-α ELISAキット(R&D)を用いて測定した。なお、得られた値はタンパク含有量(Bradford法にて測定)で補正した。損傷脊髄部のTNF-α含有量はコントロール群に比較して受傷後6時間以降、72時間まで増加していた。一方、損傷脊髄部のTNF-α含有量は直腸温を37℃に維持した群と42℃に維持した群と比較して有意な差は認められなかった。また後肢運動機能も両群間で有意な差は認められなかった。