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2017 年度 実施状況報告書

一酸化炭素中毒による遅発性脳症発症の分子メカニズム解明のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K11576
研究機関愛媛大学

研究代表者

萬家 俊博  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10230848)

研究分担者 西原 佑  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50568912)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード一酸化炭素中毒 / 神経細胞 / ミエリン
研究実績の概要

一酸化炭素中毒では、遅発性脳症と言われる神経傷害を起こすことがある。この詳しいメカニズムは不明であるが、純粋な低酸素脳症では説明がつかない部分が多く存在する。にも関わらず、一酸化炭素暴露と低酸素暴露を並べて比べた研究はこれまでにない。
我々は、一酸化炭素暴露、低酸素暴露のラットを用いて、海馬における遺伝子発現を解析した。一酸化炭素暴露群では、リアルタイムRT-PCRによる実験において、FasレセプターをスタートとするFas apoptotic pathwayの活性化が暴露後21日目においても認められた。これは低酸素暴露では認められなかった。また、これまでの報告にも散見されるように、神経細胞の傷害・アポトーシスや、オリゴデンドロサイト(ミエリンを形成する細胞)の傷害つまり脱髄が示唆される結果が得られた。同様にこれらは低酸素暴露では弱く、もしくは認められなかった。
次に、我々は、神経細胞やミエリンに関し、それらの前駆細胞に関して研究を行った。それらの結果、神経前駆細胞やミエリンのもととなるオロゴデンドロサイト前駆細胞は、低酸素暴露よりも一酸化炭素暴露の方が、有意に減少していることが分かった。
これらの結果から、一酸化炭素中毒では神経やオリゴデンドロサイトの成熟細胞のみが傷害を受けるだけではなく、それらの前駆細胞も傷害を受けていることが分かった。さらに、一酸化炭素中毒は低酸素脳症とでは、組織傷害の経路は明らかに異なっており、これら二つの病態は生理学的にことなっていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りのデータが得られている。

今後の研究の推進方策

30年度には、マイクログリアの貪食能や海馬の再生能に関し研究を行っていく予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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