研究課題/領域番号 |
17K11579
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
上村 修二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10448607)
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研究分担者 |
横田 伸一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10325863)
文屋 尚史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50721586)
白石 宗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70725168)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遊離脂肪酸 / 抗菌活性 / 熱傷 |
研究実績の概要 |
重症広範囲熱傷の治療では、感染制御目的で抗生剤含有局所療法剤を使用する場合が考えられるが、長期使用により抗生剤の耐性化が問題となることがある。遊離脂肪酸は皮膚組織にとって安全な物質であり、抗生剤の代替治療薬として期待できる可能性があり、実際に我々の研究でも抗菌活性については認められている。また熱傷治療で問題となる緑膿菌は軟膏成分などによく使用されているアミノグリコシド系の抗生剤に対して「Adaptive resistance」という耐性機構をもともと有していることが知られており、相乗効果がある治療を追加することで始めて本来の効果を発揮することができるといわれている。遊離脂肪酸がアミノグリコシドと相乗効果を示す結果がしめせれば、今後、抗生剤に遊離脂肪酸成分を添加することでアミノグリコシド系抗生剤軟膏を耐性化の心配なく熱傷創に使用することが可能となる。現在、緑膿菌に対する遊離脂肪酸の種類によるアミノグリコシドとの相乗効果を確認する研究を進めており、Adaptive resistance抑制の機序の解明やその効果の度合いに関しても実用化にたるレベルであるかも含めて探索中である。今後は 緑膿菌と並び熱傷創で問題となる細菌であるMRSAに関しても同様な実験を実施するとともに、効果がある遊離脂肪酸について実験計画の4. 細菌の Quorum sensing 阻害作用を発揮するか? 5. 熱傷創への組織障害性の有無 6. 熱傷感染創の感染コントロールが可能か?を確認していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験計画の詳細と遊離脂肪酸の適正濃度範囲確定に時間を要しており、予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に変更はないため、このまま実験をすすめて行きたい
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次年度使用額が生じた理由 |
計画遅れにともない本年度の経費が予定よりも減っている、その分次年度に使用額が発生した。使用計画は主に抗生剤との相互作用への研究に使用する。
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