研究課題/領域番号 |
17K11579
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
上村 修二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10448607)
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研究分担者 |
横田 伸一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10325863)
文屋 尚史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50721586)
白石 宗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70725168)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遊離脂肪酸 / 抗菌活性 |
研究実績の概要 |
黄色ブドウ球菌3株(標準株、市中感染型MRSA、病院感染型MRSA)と緑膿菌3株(標準株×2、多剤耐性株)に対する遊離脂肪酸:C14:1(cis-9)、C16:0、C16:1(cis-9)、C16:1(trans-9)、C18:0、C18:1(cis-9)、C18:2(cis-9、12)、C20:1(cis-11)のMICを測定した。 黄色ブドウ球菌にC16:1(cis-9)(MIC16~31μg/ml)>C14:1(cis-9)(MIC63~125μg/ml)は単独で抗菌活性を認めたが緑膿菌に抗菌活性がある脂肪酸はなかった。 Gentamicin耐性のMRSAもC14:1(cis-9)、C16:1(cis-9)併用で発育阻止できた。またFradiomycin耐性化のMRSAもC14:1(cis-9)、C16:1(cis-9)併用で発育阻止できた。緑膿菌でのGentamicinとFradiomycinの併用効果はほぼなく、ColistinはCis型の不飽和脂肪酸において逆に減弱作用を認めた。黄色ブドウ球菌標準株はC18:2(cis-9、12)、市中感染型MRSAはC16:1(cis-9)、病院感染型MRSAはC14:1(cis-9)でGentamicinと相加作用があり、黄色ブドウ球菌標準株はC18:2(cis-9、12)、病院感染型MRSAはC14:1(cis-9)でFradiomycinと相乗作用があった。緑膿菌では相加・相乗効果は認めず、Colistinは全ての脂肪酸で拮抗作用を認めた。 本研究では黄色ブドウ球菌の抗菌活性を有する脂肪酸は明らかにすることができたが熱傷で問題となる緑膿菌には期待された効果はなかった。またCis型不飽和脂肪酸はColistinに拮抗作用を持つことがわかり、コリスチン外用剤使用時は遊離脂肪酸の拮抗を考慮する必要性が示唆された。
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