研究実績の概要 |
1.オステオポンチンSLAYGLRのシグナル伝達経路の検討 C57BL/6バックグランドのマウスのMEFにTGFβ中和剤、TGFβ受容体阻害剤、MAP kinase inhibitorを投与し、オステオポンチンを構成しているタンパク質であるSLAYGLRの効果について検討した。SLAYGLR存在下において、TGFb中和剤、TGFβ受容体阻害剤はコラーゲンIα1、リン酸化Smad2のmRNAレベルはSLAYGLR単独投与群と比較し低下していた。また、タンパク発現レベルにおいても同様にTGFb中和剤、TGFβ受容体阻害剤投与群のコラーゲンIα1の発現は、SLAYGLR単独投与群と比較し低下していた。以上よりSLAYGLRはTGFb1を直接をコントロールでき、かつTGF受容体を介することが示唆された。さらにmRNAレベルにてTGF/Smad伝達経路を抑制し、TGFb1で促進されるたんぱく質の発現も抑制されていることがわかった。すなわちオステオポンチンのSLAYGL分画はin vitroにて線維芽細胞の線維化を阻害することが判明した。 またMAP kinase inhibitorをMEF投与し、SLAYGLRの伝達経路についてさらなる検討を行った。Jun, p-Junの発現について、Western blotにて検討した。MAP kinase inhibitor投与群ではコントロール群と比較し、Jun, p-Junの発現はやや抑制されていたものの、有意な差は認められなかった。このWestern blotに使用したSLAYGLRは劣化していた可能性もあるため、SLAYGLRを再度、合成する必要がある。よって再度MEFにMAP kinase inhibitorを投与し、Western blotにてMAP kinaseを中心としたシグナル伝達経路を調査するを検討する予定である。
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