研究実績の概要 |
Carbon monoxide (CO) 中毒後の亜急性期において、MRI による拡散テンソル画像による定量値および代謝産物測定値、髄液中のmyelin basic protein の定量値を測定し、慢性期の神経障害の程度との関係を観察した。拡散テンソル画像による定量値、代謝産物測定値と髄液中のmyelin basic protein の定量値は相関した結果から、慢性期脳障害の原因となる大脳白質損傷を中毒後早期にMRIを用いて評価できることがわかった。さらにMRIによる定量値が慢性期症状の重症度を予測できることを明らかにした(Beppu T,et al.J Neurol Neurosurg Psychiatry 82(8): 869-75, 2011; Beppu T,et al.J Neurol 259(8): 1698-705, 2012)。現在におけるCO 中毒後の脳損傷の評価 に対する MRI の有用性について総説した(Beppu T. AJNR Am J Neuroradiol 35: 625-31, 2014)。 CO 中毒後の大脳白質障害は、COによる酸化ストレ スが要因になっていることに着目し、CO 中毒後の大脳白質障害に対する抗ラジカル薬の効果を検証した(Beppu T,et al. Clin Neurol Neurosurg 2015; 139: 56-61)。 CO 中毒後 の脳内の血流と酸素代謝の変化をMRIを用いたmagnetic resonance spectroscopy (MRS)の定量値により予測できることをあきらかにした(Fujiwara S, Beppu T, et al.Neuroradiology 58:27-32, 2016;Fujiwara S, Beppu T, et al.Sci Rep 2016; 6:36523) 。
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