研究課題/領域番号 |
17K11594
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 伸行 日本医科大学, 医学部, 助教 (50445764)
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研究分担者 |
八木 貴典 日本医科大学, 医学部, 助教 (00445785)
飯田 浩章 日本医科大学, 医学部, 助教 (00465288)
久城 正紀 日本医科大学, 医学部, 助教 (10771511)
我妻 ゆき子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40400676)
岡田 一宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (40740593)
松本 尚 日本医科大学, 医学部, 教授 (60242559)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | PICS / せん妄 / 脊髄損傷 / 機能低下 / 回復プログラム |
研究実績の概要 |
本研究では重症患者の1年後の健康状態を明らかにすることを第一の目的として前向き研究を実施した。この研究で2016年から2017年に外傷外科ICUへ入院し生存退院した16歳以上の患者265人から調査回答を得た。回答を解析した結果、退院から平均17.9ヶ月の時点で、265人中154人(58.1%)が、同年代の健常人と比較して身体的機能、精神的機能、認知機能のいずれかが低下しており、post intensive care syndrome(PICS)と診断された。PICSは単一の機能障害とは限らず、複数の組み合わせがあることも明らかとなった。PICSであった患者は、PICSでない患者と比較して身体的・精神的困難を感じる割合が高く、金銭的な問題もより多く抱えたいた。PICSと関連する入院中の独立因子は、せん妄と脊髄損傷が挙げられた。せん妄は長期的生命予後不良との報告はあるものの、長期的な機能低下とも関連することは知られていない。対象患者の大半が外傷に偏ってははいるものの、短期的な合併症と考えられているせん妄が長期的な機能低下と関連することが示されたことは、予防や治療を積極的に行うための重要な動機となり得る。せん妄が真の決定因子かどうかについて、次年度にG-SEM法により明らかにする。また、脊髄損傷については自宅退院できたとしても身体機能低下が顕著なため、次年度は入院中の筋肉量減少について筋タンパク代謝を指標とした病態解析を追加する。 本研究の第二の目的は、上述した因子の解決策を集約化し、地域でも継続可能な回復プログラムを作成することである。このプログラムでは、PICSハイリスク患者に対して、入院中から積極的なアセスメントを行い、家族と支援施設に情報提供・連携していくことを想定している。次年度は、プログラムを作成し、地域連携病院へ提案することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、重症患者の1年後の健康状態に関する前向き研究は終了し、データクリーニング、最終解析を行っており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、身体機能低下の病態解析として、入院後の筋タンパク代謝測定を行うこととした。そして、本研究の第二の目的である地域でも継続可能な回復プログラムを作成する。2019年度前半にはプログラムの概要を示し、詳細について後半で検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、昨年度の人件費謝金の残りの支払いと、メチルヒスチジン測定キット、データ解析用パソコンの購入を予定している。
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