研究課題/領域番号 |
17K11601
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研究機関 | 純真学園大学 |
研究代表者 |
稲盛 修二 純真学園大学, 医療工学科, 教授 (60412334)
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研究分担者 |
村上 貴志 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30747978)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 救急医療 / 補助循環 / 拍動流 |
研究実績の概要 |
本研究は、現在救急医療現場において行われている蘇生および生命維持を目的とした補助循環治療に対して、拍動流を供給するすることを可能ならしめる装置を開発することを目的としている。 平成30年度は専ら動物実験による拍動効果の検証作業が行われた。実験は大阪市立大学医学部において計12回行われた。実験にはラットおよびウサギが用いられ、現行の定常流補助循環と拍動流発生装置を装着した拍動流補助循環において、心筋組織間流量・心筋ダメ-ジマ-カ・門脈血流量等を比較し拍動効果の検証を行った。結果、各項目において拍動流補助循環の有意性が示唆された。さらに装置による侵襲について遊離ヘモグロビン値の測定を行うと伴に、装置による同一圧閉部位における回路内表面の観察を走査電子顕微鏡を用いて行った。結果、溶血やコ-ティング回路の損傷等は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験による拍動効果の検証において、実験室の確保には他の研究グル-プとの調整が必要であり、対象動物がラットからウサギに移行する際に、手術手技の確立に若干の時間を要した。また体部および門脈におけるエンドトキシン値の測定を目指しているが、動物検体の測定に制約があり十分な症例数が確保できていない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年においては、ウサギを用いた拍動効果の検証に関する動物実験を継続させ、得られた実験デ-タの統計学的信頼性の向上を図ると伴に、ラットを用いた実験系において慢性実験モデルを確立させ、定常流補助循環と拍動流補助循環における侵襲に対して病理診断法を用いた考察を加える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験による拍動効果の検証を行う過程において、現在小動物(ラット)での実験に留まっている。そのため実験に必要な経費(動物、薬剤、検査費用等)も大動物(ウサギ、ブタ)に比べて抑えられてええいると考えられる。さらに当初計画した実験回数が実施できておらず必要経費が繰り越しとなっている。今後は実験スケジュ-ルの調整を積極的に行い、実験回数を増やす予定。
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