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2020 年度 実施状況報告書

救急蘇生に用いられる補助循環における心電図同期型拍動流発生装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11601
研究機関純真学園大学

研究代表者

稲盛 修二  純真学園大学, 医療工学科, 教授 (60412334)

研究分担者 村上 貴志  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 登録医 (30747978)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード救急蘇生 / 補助循環 / 拍動流 / ラット体外循環
研究実績の概要

急性期の心機能低下および様々な要因に対する救命手段として補助循環は、年間約7,000症例に適用されているが、救命率は40 ~ 50%前後と十分ではない。要因として血液に対する侵襲の観点から、送血には遠心ポンプが用いられ、専ら非生理的な定常流が供給されていることが指摘されており、定常流は細動脈以下のレベルにおける主要・末梢臓器の灌流が不十分である可能性が存在する。申請者は2006年に心電図同期可能な拍動流発生装置を開発し、これまで大型放射光施設(SPring-8)において装置を用いた小動物実験を行い直径50 μm以下の血管レベルで、定常流に比べ拍動流において潅流状態に有意差が見られることを確認した。本研究課題ではさらに大型の動物実験を行い、拍動流補助循環の有意性を明らかにするとともに、装置の安全性についての検証を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

申請時、救急蘇生を目的とした補助循環は本邦で年間約5,000例実施されており、確立された手技として用いられている。しかし治療成績は生存率が40%前後で十分とは言えない。そこで申請者は成績不振の一因として定常流灌流による重要臓器の抹消循環不全と位置づけ、独自に開発した心電図同期可能な拍動流発生装置を用い、動物実験を行い拍動灌流の有意性について検証を行った。2017年度において、測定機器の購入等実験環境を整備し18年度には小動物(ラット)において実験を行い、また19年度では大動物(ブタ)を用いた実験を施行しそれぞれ拍動流の有意性を確認することができた。しかし残念なことに2020年度において新型コロナウイルスの蔓延に伴い実験は中止を余儀なくされ、現在も再開の目途はたっていない。本年度はコロナ渦の収束が達成され次第実験の再開予定である。

今後の研究の推進方策

コロナ渦の終息に伴い、大阪市立大学医学部動物実験棟において実験を再開させる予定。
本年度は、拍動流補助循環における腸内環境を検証すべく、補助循環中の門脈血流量が定常流と拍動流間でどのような差異があるのかを測定する。また主な死亡原因でもあるMOFの原因とされる敗血症に関して、その誘発因子であるエンドトキシン値を門脈および体部において測定し、拍動流補助循環が治療成績にどのように影響するかの検証も行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

2020年度における新型コロナウイルス蔓延により、動物実験施設である大阪市立大学医学部動物実験棟が使用できなくなり、予定していた実験が全てキャンセルとなった。本年度においては、コロナ渦の終息とともに昨年度計画していた実験を行う予定であるため、当該助成金が必要となる、

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Development of a Pulsatile Flow-Generating Circulatory Assist Device (K-Beat) for Use with Veno-Arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation in a Pig Model Study2020

    • 著者名/発表者名
      Fujii Yutaka、Akamatsu Nobuo、Yamasaki Yasunori、Miki Kota、Banno Masayuki、Minami Kenta、Inamori Shuji
    • 雑誌名

      Biology

      巻: 9 ページ: 121~121

    • DOI

      10.3390/biology9060121

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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