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2018 年度 実施状況報告書

悪性黒色腫の上皮-間葉移行におけるBMPの役割と新規浸潤・転移モデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K11622
研究機関九州歯科大学

研究代表者

松尾 拡  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)

研究分担者 渡邉 誠之  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10201196)
古株 彰一郎  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
自見 英治郎  九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
矢田 直美  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60468022)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード悪性黒色腫 / BMP / 浸潤 / 増殖
研究実績の概要

悪性黒色腫はメラニン産生能をもつメラノサイトから発生する悪性腫瘍である。皮膚や口腔粘膜上皮に発生し、早期に周囲組織に浸潤し、転移しやすく悪性度が高い。口腔粘膜に発生する悪性黒色腫は皮膚のものと比べ予後不良であるが、発症頻度が全悪性黒色腫10%前後と低いため研究があまり進んでいない。また、悪性黒色腫の進行にはBMPシグナルの関与が示唆されているが依然として不明な点が多い。
前年度までに、培養細胞を用いた実験から、マウス悪性黒色腫細胞株B16をBMP2やBMP4処理すると間葉系細胞形態に変化した。また形態変化した細胞では上皮系細胞マーカーの発現が低下し、間葉系細胞マーカーの発現が上昇した。また、構成活性型ALK3受容体を恒常的に発現するB16細胞を作製した。すると、このBMPシグナルが活性化した細胞は間葉系細胞様に形態が変化し、移動能・浸潤能の亢進が認められた。
これらデータに基づき、当該年度はin vivo実験を行った。8 ~ 10 週齢のマウスをペントバルビタールの腹腔内投与による麻酔下でDMEMに懸濁したB16細胞(1.0 x 105/ ml) を50 μl左咬筋部に接種した。細胞接種3週間後にイソフルランの過量吸入により安楽死させた後, 腫瘍サイズを測定した。さらに顎骨頭蓋骨をμ-CT撮影装置 で撮影し3D画像を構築した骨破壊を評価した。するとBMPシグナルが活性化したB16細胞はコントロール細胞に比べて腫瘍が増大し骨破壊が亢進する結果が得られた。
以上の結果から、もし悪性黒色腫細胞特異的にBMPシグナルを抑制することができれば画期的な悪性黒色腫治療法の開発に繋がるかもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度にin vivoの実験を行う計画をしていたが、実際にin vivoの実験を行い結果を得られることができたため。

今後の研究の推進方策

最終年度を迎えるにあたり、現在までに得たデーターを整理し、我々の仮説を証明するのに足りないデータを集める。また、期間終了までに論文が受理されることを目指し、論文執筆を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験がスムーズに進んだため、試薬、器具等が節約できた。また、次年度にインパクトファクターが高いオープンアクセスジャーナルに投稿する予定であるため、その投稿料を確保することとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Transducin-like Enhancer of Split 3 regulates proliferation of melanoma cells via histone deacetylase activity2018

    • 著者名/発表者名
      Ogawa M, Yaginuma T, Nakatomi C, Nakajima T, Tada-Shigeyama Y, Addison WN, Urata M, Matsubara M, Watanabe K, Matsuo K, Sato T, Honda H, Hikiji H, Watanabe S, Kokabu S
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 10(3) ページ: 404-414

    • DOI

      10.18632/oncotarget.26552

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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