胎児下顎のメッケル軟骨はもともとは下顎骨の原基であったが、哺乳類以降は新たな下顎骨の出現により一部を除いて不要となり、大部分は出生前に消失する。しかしその遺残は生後の下顎骨や顎顔面の異常を来すことから、出生前までの急速な消失が正常な顎顔面形態形成には必要である。今課題の実施により、長管骨の軟骨内骨化に見られるセプトクラストがメッケル軟骨の吸収面に出現して、破骨細胞と役割分担をしながら急速な軟骨吸収を行うことを明らかにした。また、吸収開始に必要な軟骨細胞の肥大化には、低酸素環境で誘導される因子の発現が関与しており,無血管組織である軟骨特有の細胞分化、吸収開始機構をもつことが強く示唆された。
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