研究課題/領域番号 |
17K11645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 美穂 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (40291520)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 破骨細胞 / 分化 / Neuropirin 1 / PRIP / 骨代謝 |
研究成果の概要 |
シグナル分子PRIPの遺伝子欠損(KO)マウスでは海綿骨の骨量が増加するが、その要因が骨芽細胞分化能の亢進の他に破骨細胞分化における異常が示唆された。そこで本研究では、破骨細胞分化におけるPRIPの役割を明らかにすることを目的に解析を行った。その結果、破骨細胞分化過程においてPRIPは、分化のマスター制御因子であるNFATc1の核移行の制御、また破骨細胞分化抑制因子Semaphorin 3Aの受容体Neuropilin 1の発現制御に関わりKO細胞では分化抑制が続くことがわかった。これらのシグナル制御を通してPRIPが破骨細胞分化制御に機能することが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
骨代謝制御 生殖制御
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身体の支持組織でありかつ全身のエネルギー代謝を制御する組織でもある骨は、骨芽細胞と破骨細胞が担う骨形成と骨吸収のバランスで恒常性が維持されている。 シグナル分子PRIPの遺伝子欠損マウスにおいて骨量増加が認められたことから、PRIPの骨代謝制御への関わりについて研究を進め、今回の成果からPRIPが破骨細胞分化における特定の細胞内情報伝達経路の制御を担うことが明らかとなった。このことは、破骨細胞分化制御機構に新たな視点を見出し未知の分子基盤を導き出すものであり、破骨細胞が担う骨吸収機能の低下によって引き起こされる疾患の病因・病態の解明や治療の標的分子の発見など臨床応用にも貢献しうるものである。
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