研究課題/領域番号 |
17K11664
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
勝良 剛詞 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30283021)
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研究分担者 |
宇都宮 悟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50570868)
伊川 裕明 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 病院, 歯科医師(任非) (00793928)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 重粒子線治療 / 急性有害事象 / 晩期有害事象 / マウスピース / 放射線治療補助器具 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、歯科用合金の素材・形態による線量分布変化の解析とモンテカルロ法での再現の準備を目的にし、様々な歯科用合金の素材・形態による線量分布変化の3次元的な特徴を解明することと、得られた実測データのモンテカルロ法(計算コードParticle and Heavy Ion Transport code System(PHITS)ver2.81, )での再現を行う予定であった。 しかし、頭頸部重粒子線治療におけるマウスピース装着の効果と意義が不明であるとの意見が聞かれたので頭頸部重粒子線治療におけるマウスピースの効果と意義を再確認することを目的にマウスピースの有無による正常舌組織の線量変化を重粒子線治療装置(HIMAC: Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)で使用している放射線治療計画装置(MIM: MIMSoftware Inc., Cleveland, OH)も用いて、Dose-Volume histgram解析を行った。 結果として、マウスピースを装着しないことで正常舌組織の照射体積と照射線量はV30が35~60 Gyであり、マウスピースを装着することでV30が0~10 Gyとなり腫瘍線量を変化させずに正常舌組織の照射線量と照射体積を明らかに少なくすることを示すことができた。 この結果は、頭頸部重粒子線治療でマウスピースを使用することで、腫瘍制御効果を低下させずに正常組織の急性及び晩期有害事象を予防でき、治療の質と安全性を高めることが可能なことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モンテカルロシミュレーションのための重粒子線治療装置(HIMAC: Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)の再現を試みているが、ヘットの設計に不明な点が多く実験解析システムが出来上がっていない。また、HIMACを使用した実測値データがすべて得られておらず、進捗が当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
重粒子線治療装置のヘットの早期再現を目指す。実験施設が遠方であることから、1回の実験時間を増やし実測データの早期収集を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
モンテカルロシミュレーションのための重粒子線治療装置(HIMAC: Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)の再現を試みているが、ヘットの設計に不明な点が多く実験解析システムが出来上がっていない。また、HIMACを使用した実測値データがすべて得られておらず、進捗が当初の予定よりやや遅れているため差額が生じた。 差額の解消のため、重粒子線治療装置のヘットの早期再現と1回の実験時間を増やし実測データの早期収集を目指す。
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