研究課題/領域番号 |
17K11673
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
榮田 智 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80325662)
|
研究分担者 |
佐々木 美穂 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (10437874)
中村 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30172406)
高木 幸則 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (30295084)
角 美佐 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (90284702)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 頸部リンパ節 / 画像診断報告データシステム / 診断基準 |
研究実績の概要 |
口腔癌にて頸部リンパ節郭清術を行った患者を対象としたretrospective study により、頸部リンパ節の画像診断報告データシステム構築を目的とした研究である。H29年度は、非転移リンパ節および転移リンパ節診断基準の策定のため、経験年数20 年以上の歯科放射線医4名によるリンパ節の評価を行った。評価法は次の通りである。a)長径は、描出されたリンパ節の断面上の最長距離、b)短径は長径に直行する断面上の最長距離、c)門部については、B-mode およびD-mode を用いる。B-mode ではhilum にある脂肪層の高エコー像の有無を、D-mode ではhilum にある動静脈の存在が示唆される線状血流(hilar flow)の有無で評価する。d) 内部エコーは高低や均一性で評価する。高低は筋肉と比較して高ければ高エコー、同等もしくは低ければ低エコーとし、均一性は内部が全体的に同等のエコーレベルであれば均一、そうでなければ不均一とする。e) 辺縁境界は外形をすべて確認できれば整、できなければ不整、f) 内部血流は、リンパ節辺縁部にのみあるか、内部に散在性にあるか、辺縁部と内部散在性との両方あるか、血流が確認できないか。評価結果から、それぞれの所見が診断に与える有意性を判断し、転移リンパ節診断における診断項目を選出し、暫定的な診断基準を策定。方法としては、(a)単変量解析および(b)多変量解析による各診断基準の有意性判断、(c)ステップワイズ法による診断基準の組み合わせの最適性判断、を用いた。結果として、b)短径、c)門部、d) 内部エコー、f) 内部血流による評価が有用であった。 現在、この診断基準をもとに転移予測モデル式の作成と病期分類基準の策定を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非転移リンパ節および転移リンパ節診断基準の策定のため、複数の診断項目から有意なものを選出し、暫定的な診断基準を策定できた。また、この診断基準をもとに転移予測モデル式の作成と病期分類基準の策定を行っている。これは平成29~30年度に計画していたことで、当初計画通りに進んでおり、順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、転移予測モデル式から得られた転移予測確率数値をもとにカテゴリー化し病期分類基準を策定する。また報告書形式を策定し、臨床に役立てたい。研究成果については、学術論文にまとめ報告したいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は暫定的な診断基準を策定した段階であり、資料整理のための人件費、謝金を使用しなかったが、次年度以降は転移予測モデル式の作成や病期分類基準の策定を行うため、膨大なデータ・資料整理を行う予定であるり、人件費、謝金として用いる予定である。
|