研究課題/領域番号 |
17K11681
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
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研究分担者 |
植原 治 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (00709248)
太田 亨 北海道医療大学, 健康科学研究所, 教授 (10223835)
道川 誠 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40270912)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
本研究では、口腔内病原菌の内毒素による、脳の海馬でのエピジェネティクス修飾について網羅的に観察することを目的とする。P. gingivalis由来LPSを5 mg/kgになるよう生理食塩水で調整し、6~8週齢のC57BL/6Jマウスに72時間毎に1度、腹腔内に1ヶ月間投与した。対照群にはLPS溶液と同量の生理食塩水を投与した。最終投与より3日後にマウスを屠殺し、海馬を摘出した。摘出に先立ち、マウスより血液を採取し血中LPSの濃度を確認した。摘出した臓器より薄切標本を作製し、組織像の観察を行い、また、Total RNAからcDNAを作成し、mRNA発現変化をマイクロアレイにより網羅的解析を行った。海馬の組織標本の観察では、明らかな急性炎症所見は認められなかった。マイクロアレイによる網羅的解析では、2倍以上に発現上昇した遺伝子は589プローブ、0.5倍以下に発現減少した遺伝子は1,175プローブであった。これらのデータからLPS投与群において、アルツハイマー病発症の核となるアミロイドβペプチド(Aβ)の分解に関与する脳内主要酵素であるMembrane metallo-endopeptidase(Mme)が0.18倍以下に発現低下していることが確認された。得られた結果から我々はMmeに注目し、生後8週齢のC57BL/6Jマウス及び老化促進(SAMP8/Ta)マウスを用い上記と同様の方法で、腹腔内にP. gingivalis由来LPSを3ヶ月間投与した。LPS投与開始から3ヶ月後にマウスを屠殺し、脳の海馬を摘出しDNAおよびRNAを抽出した。老化促進(SAMP8/Ta)マウスにおけるMmeの再現性を確認するため、定量的PCR法を行ったところ、LPS投与群ではControl群と比べて発現低下していることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進捗状況は当初の予定通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、DNA メチル化プロフィール解析を行い、メチル化異常のメカニズムについて探索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はスムーズに研究結果を得られた為、次年度使用額が生じた。次年度使用額はメチル化プロフィール解析に使用する予定である。
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