研究課題/領域番号 |
17K11688
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
MATIN KHAIRUL 鶴見大学, 歯学部, 寄附講座教授 (00372433)
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研究分担者 |
松岡 克善 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (40307393)
岡田 彩子 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (60515584)
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 口腔細菌叢 / 腸内細菌叢 / 次世代シーケンス解析 |
研究実績の概要 |
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)の罹患者数は、厚生労働省の定める特定疾患(難病)の中で現在1位である。急増した理由も根本原因に関しても依然として不明ではあるが、腸管免疫系に大きく影響する腸内細菌叢の均衡破綻(dysbiosis)の関与が示唆されている。 近年、口腔病原細菌が腸内細菌叢の均衡を崩し、過剰な免疫応答を惹起する可能性を示唆した研究が相次いで報告され、口腔ケアの重要性がこれまで以上に高まっている。 上記の背景より、本研究では、口腔保健指導を介入項目として採用し、IBD患者の口腔および腸内細菌叢への影響を臨床所見と突合することによって、その有効性を検討することを目的とした。被験者は東京医科歯科大学医学部附属病院潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター外来来院患者(寛解から軽症と診断された者)を対象とした。具体的な介入項目として、歯科医師による専門的機械歯面清掃(Professional Mechanical Tooth Cleaning; PMTC)およびDental Drug Delivery system(3DS)を含む口腔ケアを行うことを計画した。主要評価項目は、歯面、歯周ポケット内および舌面上のプラ-ク中の細菌の質的・量的分布とし、副次的評価項目は、歯周組織検査、唾液分泌量、血中白血球数、炎症性マ-カ-;C反応性タンパク(CRP)、ヘモグロビンおよびアルブミン量定量とした。 本年度は上記の研究実施に先立ち、鶴見大学歯学部倫理審査委員会へ申請し、承認を得た。その後UMIN-CTR登録(試験ID:UMIN000032052)を行った。現在は共同研究施設である東京医科歯科大学医学部倫理委員会へ申請中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IBD患者ボランティアの募集については、当初の計画では今年度中に鶴見大学歯学部倫理審査委員会および共同研究施設である東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認を得て被験者募集および臨床試験を開始することを予定していた。現在までに本学倫理審査委員会の承認を得ているものの、東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会については申請中であり、審査結果は来年度初めになるため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
被験者の募集は、東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認を得たのち、直ちに開始する。より多くの対象者に情報提供をするべく、臨床試験についての説明会を実施し、被験者確保に努める。スクリ-二ング適格となった者から順次臨床試験を開始し、得られたサンプルを速やかに解析し、研究成果を報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認を得た後、被験者の募集に次いで臨床試験開始となる。よって、試験開始は次年度になるため、試験にかかる消耗品やサンプル解析については、翌年度分とし請求する助成金と合わせて使用する計画である。
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