研究課題/領域番号 |
17K11691
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
梅村 直己 朝日大学, 歯学部, 講師 (80609107)
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研究分担者 |
大越 絵実加 青森大学, 薬学部, 准教授 (10287667)
足立 誠 朝日大学, 歯学部, 講師 (10468192)
近藤 信夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (40202072)
高山 英次 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70533446)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腫瘍内浸潤マクロファージ |
研究実績の概要 |
Myeloid derived suppressor cells(MDSCs)とtumor associated macrophages (TAMs)は双方とも免疫能を抑制し結果腫瘍が増大すると考えられる重要な免疫抑制細胞群である。しかしながら、それらの細胞群が腫瘍の増大に伴いどのように相互作用し、腫瘍免疫を抑制しているのかは明らかでない。そこで我々は担癌マウスモデルにおいて腫瘍浸潤マクロファージと脾臓内MDSCsを比較するため、両細胞群に共通のCD11b+細胞を分取し、担がんマウス腫瘍内CD11b+細胞と脾臓内CD11bを腫瘍接種early stage(14日目)とlate stage (28日目)にそれぞれ採取し、各々の細胞膜抗原と免疫抑制機能、細胞内代謝がどのように変化しているのかを確認した。結果として、脾臓内CD11b+cellsの分画は分葉核をもつ好中球と楕円形の核を有する単球とが散在する分画で、表面抗原としてはGr-1hiIL-4Rhi の細胞群であった。しかしながら、CD8Tcellの抑制が見られず、分類とMDSC like cell (MDSC-LC)であった。一方、腫瘍内CD11b+cells は多くは類円形の核を持ち,胞体の豊富なマクロファージで多くを占める分画であった、細胞表面抗原はF4/80hi,Gr-1lo,IL-4Rαhi であり、early satgeにおいてTNF アルファによるCD8 Tcellsの抑制が観察できた。そのため腫瘍内CD11b+cellは分類上TAMsと考えられた。これらのことから、我々の実験系において、腫瘍内のTAMsがearly stageから強力な免疫抑制機能を有していることがわかった。またearly stageとlate stageにおけるTAMsの細胞内代謝変化を観察した結果、TAMsは腫瘍増大に伴う解糖系の亢進、メチオニン回路の亢進、グルタミンとグルタミン酸の蓄積が顕著であった。 これらの結果から、TAMsは腫瘍初期から強力な免疫抑制能を有していることと、TAMsの腫瘍増大に伴う細胞内代謝の変化が解明された。
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