研究課題/領域番号 |
17K11693
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
筑井 朋子 (白石朋子) 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80580472)
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研究分担者 |
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 客員教授 (40136510)
香川 豊宏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00258592)
吉田 祥子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (90780635)
岡村 和彦 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (00224056)
稲冨 大介 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 診療放射線技師 (00454934)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超音波エラストグラフィ / 拡散強調像 / リンパ節 / 腫瘍 |
研究実績の概要 |
リンパ節や咬筋に関して、横断像・縦断像で複数回の計測を行い、変動を評価した。リンパ節に関しては、横断像・縦断像とも変動率が少なかったが、咬筋に関しては、変動率が大きい傾向がみられた。それは、リンパ節は、弾性率が等方的であるが、筋肉に関しては、異方的である事に由来するからではないかと思われた。なお、比較的大きなリンパ節に関しては、最大活面での病理像と超音波エラストグラフィーの像を重ね合わせる検討を行なっているが、今年度はCOVID-19の感染拡大による影響および、当大学においては新病院への移転等などの行事があったために、十分な検討時間が取れなかったのが現状である。 また、本年度はリンパ節以外にも腫瘤においても超音波エラストグラフィーの評価を行い、MRIの拡散強調画像の解析結果との比較を行った。得られた代表的な結果は、超音波エラストグラフィーでは、ワルチン腫瘍<多形腺腫<唾液腺悪性腫瘍の順に硬くなる傾向であり、触診の結果を反映するものとなった。また神経鞘腫では、ADC値やIVIM解析による真の拡散係数(D)、灌流の割合(f)が多形腺腫とのoverlapが大きかったが、超音波エラストグラフィーにより、多形腺腫は硬く、神経鞘腫では柔らかいという特徴が顕著にみられた。このことは、細胞密度が同じような腫瘍であっても、超音波エラストグラフィーは間質の成分(線維や粘液性の成分)を反映し、鑑別の新たな指標になる事が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学での行動制限により研究に十分な検討時間が取れなかった。また病院移転、画像診断装置の更新があった事もあり、極めて研究に当てる時間が制限された。 一方でエラストグラフィーの詳細な内部構造(テキスチャー)を解析する方法を習得する事ができたため、今後の検討に応用する予定にしている。
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今後の研究の推進方策 |
リンパ節に関しては、収集した腫脹リンパ節のエラストグラフィー画像と病理画像との融合させる作業を続ける。間質の線維化成分がエラストグラフィーの硬い領域と相関を見出させると予想している。またエラストグラフィーに関しては、今まで平均値や標準偏差のみを算出してきたが、内部テキスチャーを解析し、診断能の向上を検討する。 またリンパ節以外の腫瘤性病変の解析も、残りの既存データ及び新規症例をあわせ進める予定である。多形腺腫や神経鞘腫など、中程度のA D Cを持ち、比較的間質に富む腫瘍に関して新たな診断基準としての有用性を証明する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス拡大のため、学会参加が困難であった。 今年度の学会出張及び論文の英文校正に費用を使用する予定である。
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