研究課題/領域番号 |
17K11694
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研究機関 | 神奈川歯科大学短期大学部 |
研究代表者 |
山本 裕子 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 講師 (60756568)
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研究分担者 |
槻木 恵一 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00298233)
高橋 徹 福岡女子大学, 人間環境科学研究科, 准教授 (80324292)
猿田 樹理 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (30454151)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 唾液 / IgA / 高脂肪食 / 難消化性糖類 / 短鎖脂肪酸 |
研究実績の概要 |
高脂肪摂取と難消化性糖類摂取が盲腸内容物中IgA濃度と唾液中IgAレベルに与える影響を解明するため、ラットにラード6%配合飼料(低脂肪無繊維)、ラード6%+フラクトオリゴ糖3%配合飼料(低脂肪フラクトオリゴ糖添加)、ラード22%配合飼料(高脂肪無繊維)、ラード22%+フラクトオリゴ糖3%配合飼料(高脂肪フラクトオリゴ糖添加)、の4種の特殊飼料を10週間摂取させ、盲腸内容物中IgA濃度、盲腸内容物中pH、血清中IgA濃度、唾液中IgA分泌速度、顎下腺組織中チロシンヒドロキシラーゼ濃度を測定した。二元配置分散分析で解析した結果、唾液中IgA分泌速度については、脂肪添加含量の違いとフラクトオリゴ糖添加の有無の交互作用が認められ、低脂肪フラクトオリゴ糖飼料摂取群において他群と比較して高値が認められた。唾液中IgA分泌速度は血清中IgA濃度との間に正の相関が認められた。血清中IgA濃度についてはフラクトオリゴ糖添加の有無の影響が認められなかったが、脂肪添加含量の違いの影響が認められた。顎下腺組織中チロシンヒドロキシラーゼ濃度は低脂肪フラクトオリゴ糖飼料摂取群において他群と比較して高値が認められた。以上の結果から、低脂肪の場合は唾液中IgA分泌速度を増加させるフラクトオリゴ糖の効果が表れるが、高脂肪摂取の場合はその効果が消失する可能性が示された。また唾液中IgA分泌速度の増加には交感神経活性化が関与している可能性が示された。今までの研究内容と合わせて考えると、唾液中IgA分泌速度の増加にはフラクトオリゴ糖摂取により産生された短鎖脂肪酸だけでなく、食事中の脂肪添加含量の違いも関与している可能性が示された。この実験結果をもとに論文を作成する予定である。 今後は短鎖脂肪酸をラット血中に直接投与した場合の唾液中IgA分泌速度を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した研究計画のうち、1.ラットに高脂肪食を摂取させ、盲腸内の代謝産物とIgAの増減、唾液中IgAの増減を解析、2.ラットに高脂肪食・難消化性糖類を同時摂取させ、盲腸内代謝産物と唾液中IgAの増減を解析、までの実験は行うことができた。4.ラットに高脂肪食・難消化性糖類を摂取 ラットに高脂肪食・難消化性糖類を摂取 ラットに高脂肪食・難消化性糖類を摂取させ、顎下腺の形質細胞数とpIgRの増減を解析、5.ラットの血中に短鎖脂肪酸を投与し、唾液中IgAの増加と顎下腺形質細胞数とpIgRを解析、の実験を次年度中に行う準備を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず、4.ラットに高脂肪食・難消化性糖類を摂取 ラットに高脂肪食・難消化性糖類を摂取 ラットに高脂肪食・難消化性糖類を摂取させ、顎下腺の形質細胞数とpIgRの増減を解析、5.ラットの血中に短鎖脂肪酸を投与し、唾液中IgAの増加と顎下腺形質細胞数とpIgRを解析、の実験を今年度中に行う予定である。顎下腺形質細胞数の測定はマウスの方が行いやすいため、マウスでの実験モデルを確立する予定である。盲腸内容物中の短鎖脂肪酸の解析も研究分担者との共同研究で解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は盲腸内容物中短鎖脂肪酸濃度の解析を行わなかったため、その分の予算を次年度使用とすることとした。次年度は盲腸内容物の短鎖脂肪酸濃度の解析を行うためこの分の予算を使用する。
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