| 研究課題/領域番号 |
17K11702
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
古本 達明 金沢大学, 機械工学系, 教授 (60432134)
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| 研究分担者 |
橋本 洋平 金沢大学, 機械工学系, 助教 (30456686)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 非う蝕性歯質欠損 / アブフラクション / 応力 / 磨耗 / 酸蝕 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，歯頸部や歯根面部に形成されるう蝕以外の原因で生じる欠損(Non-carious Cervical Lesion，以後NCL)の発生機序を解明することを目的とする．NCLは，歯ブラシと歯磨材の不正使用で生じる摩耗，咀嚼時に対合歯との過剰な接触で生じる咬耗，胃液の逆流に起因した内因性および食品に含まれる酸に起因した外因性の酸蝕，咬合時の生体力学的荷重に起因したアブフラクションに大別され，物理・化学的要因，生物学的要因，行動要因などが複雑に関連した多因子性の疾患である．
今年度は，これらの要因の中で磨耗因子に焦点をあて，歯頸部に対して歯ブラシを連続的に往復させる磨耗実験装置を製作した．歯ブラシによる形態学的変化を加速的に行うため，歯ブラシの材質は鉄製とした．そして，歯質に作用する荷重を測定しながら歯ブラシによる歯頸部の形態学的変化を評価した．その結果，歯ブラシによって歯頸部の歯質が除去され，歯ブラシによる磨耗がNCLの一因となりうることを示唆した．また，このとき生じた微粉末を分析し，歯質を構成するアパタイトであることを確認した．
さらに，昨年度製作した歯質への荷重負荷装置と歯ブラシによる歯頸部の磨耗実験を繰り返し行い，3次元形状測定機を用いて歯頸部の形態学的変化を評価した．その結果，荷重負荷実験と磨耗実験を繰り返すことで歯頸部歯質表面の形状が変化することを明らかとした．歯質表面の形態は，荷重負荷実験よりも歯頸部の磨耗に大きく影響を受けることがわかった．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施予定であった磨耗実験が順調に行うことができたため．
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は，歯頸部および歯根面部の酸蝕がNCLに及ぼす影響を調べるため，胃液や酸性飲食物を考慮した酸で抜去歯を浸漬し，動的荷重を負荷したときの内部応力変化や歯質表面の形態学的変化を調べる．そして，歯頸部および歯根面部を酸で浸漬させ，抜去歯に動的荷重を繰り返し負荷し，酸蝕の有無による内部応力の変化を詳細に調べる．併せて，歯質の硬度測定や表面観察も行い，酸蝕と動的応力負荷がNCLの発生に及ぼす影響を明らかにする．また，酸蝕と荷重負荷実験，酸蝕と磨耗実験など，荷重負荷，磨耗，酸蝕の各因子を複合的に作用させ，動的応力を負荷したときに歯質へ生じる形態学的変化を調べる．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
磨耗実験装置の製作に関して，昨年度に購入・製作した荷重負荷装置の一部を流用したことで物品の購入費用を抑えることができた．抑えた経費によって，今年度実施予定である酸を用いた実験，各種因子を複合的に作用させた実験を増やし，非う蝕性歯質欠損の発生機序解明に向けたデータを充実させる．
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