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2017 年度 実施状況報告書

訪問・在宅に向けた新しい概念の保存治療法の開発―高周波/電磁波などを応用して―

研究課題

研究課題/領域番号 17K11708
研究機関徳島大学

研究代表者

松尾 敬志  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (30173800)

研究分担者 中西 正  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (00217770)
湯本 浩通  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (60284303)
菅 俊行  徳島大学, 病院, 講師 (60243713)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード在宅・訪問歯科治療 / 齲蝕治療 / 電磁波/高周波
研究実績の概要

訪問・在宅の歯科治療において、施術可能な齲蝕治療法を開発することを目的とし、今年度は主に電磁波/高周波の応用による新しい齲蝕治療法の確立を目指して研究を行った。齲蝕は象牙質内への齲蝕原性細菌の侵入と捉えることができるが、この象牙質侵入細菌を象牙質内で不活性できれば歯質の削除を行わず治療ができる可能性がある。また、歯質を削除しないと言うことは治療による痛みの誘発を最小限に止めることができるのみならず、エアータービンや電気エンジンなど回転切削器具を用いず治療できることが可能となる。在宅・訪問診療では、歯科診療所のように十分な照明のもとで患者さんの協力や歯科衛生士や助手の補助が得られない場合が多く、より安全に治療できる利点がある。
今回、電磁波/高周波を象牙質に照射した場合の電流の動態を計算により求めることとした。これまでの実験より、周波数が500kHzから1MHzの電磁波/高周波が殺菌作用のみならず組織為害性が低く、場合によっては細胞の賦活化作用のあることを突き止めていることより、500kHzから1MHzの電磁波/高周波照射による電流の動態を解析した。なおこの成果は、Bioelectromagunetic Society (2017)で発表している。
今回の象牙質内における電磁波/高周波による電流分布の計算により、齲蝕表面から電磁波/高周波を照射した場合の象牙質内の電流動態を推定することが可能ととなり、新しい齲蝕治療に向けての第一歩となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回、在宅・訪問診療で応用可能な齲蝕治療法の開発に向けて、その基礎となるデータを得ることができ、今後の開発に弾みを付けることができた。
一方、当初に予定していた、抗齲蝕作用を持つ抗菌薬添加フッ化ジアンミンシリケートと電磁波/高周波の相乗作用を期待した治療法の開発は進んでいない。これは、電磁波/高周波の齲蝕象牙質への作用の解明がまだその途中となっていることに起因している。また、電磁波/高周波の歯髄細胞への作用の解明も同様な理由で進んでいないのは気がかりなところであるが、電磁波/高周波の象牙質内の動態が進むことでこれらの課題も進捗すると考えられることより、おおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

電磁波/高周波の象牙質内での動態が明らかになったことより、これらの性能を発揮できるデバイスの開発が進むと思われる。そして、この機器を用いて実際の齲蝕象牙質内での殺菌効果を検討することが可能になると予想される。また、これが明らかになることにより、電磁波/高周波の照射の条件を決定することが可能になり、抗菌薬添加フッ化ジアンミンシリケートと電磁波/高周波の相乗作用の検討や歯髄細胞への安全性や修復象牙質の形成増進効果の条件も明らかになると考えられ、期待される。

次年度使用額が生じた理由

齲蝕の象牙細管内に侵入した細菌への抗菌薬添加フッ化ジアンミンシリケートや電磁波/高周波の作用を、実際のヒトの歯を用いて検討する予定であったが、今回は象牙質へ電磁波/高周波を照射した場合の電流の解析までしか行えなかった。
当初は、マニュアル精密研磨装置(明和フォーシス)を用いて被研歯の割断面を研磨してその状態を解析する予定であったが、そこまで研究が進まなかったため機器を購入していない。
その費用はデータ解析用のパーソナルコンピュータや情報収集のための費用に充てたが、予定額より余剰が生じた。この余剰金は次年度の研究に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Calculation of current densities inside dentin by applying 500-kHzcurrent2017

    • 著者名/発表者名
      H. Tarao, M. Akutagawa, T. Emoto, H. Yumoto, T. Tominaga, T. Matsumoto, T. Ikehara, Y. Kinouchi
    • 学会等名
      BioEM 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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