| 研究課題/領域番号 |
17K11716
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| 研究機関 | 日本大学 |
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研究代表者 |
宮崎 真至 日本大学, 歯学部, 教授 (70239391)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 再石灰化 / イオン / OCT / 超音波測定 / 歯質 |
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| 研究実績の概要 |
これまで，歯質の再石灰化に有効なイオンとしてSi Ca P ZN Mg Sr Cu Bなどが挙げられ，それぞれ検討が加えられている。これらのイオンの中で，とくにSi Sr Znイオンに着目し，その中でも石灰化に侑子王であるイオンの特定を行った。まず，ウシの抜去歯からエナメル質のみを切り出し，これを試片とした。これらの試片に対して，3種類のイオンを主としたガラスを製作し，グラスアイオノマーセメントに転嫁することで，3種類のセメントを試作した。これらのセメントをエナメル質試片に塗布し，脱灰サイクルを負荷した。その後，歯質からのミネラル量の変化をTransverse Micro Radiography（TMR）法を用いて評価，検討を行った。その結果，何も塗布していないコントロール試片のミネラルロスは3100vol%であったものが，Znガラス含有塗布材を用いた試片では5000vol%と，約1/6に減少した。したがって，今後の検討については，Znイオンをターゲットイオンとして絞り込み，検討を継続することとした。すなわち，Znイオンは抗菌性や歯質の再石灰化促進効果を示すとともに，コラゲナーゼの活性阻害能を有しており，硬組織疾患の予防に効果があることが報告されており，今回の検討とも一致するところである。
そこで，歯質接着のターゲットとして象牙質を選択し，Znイオン含有の試作コーティング材の再石灰化促進，脱灰抑制効果についての検討をさらに進めるべく，光干渉断層画像法（OCT）を用いた検討を継続して行っている。その検討は継続中ではあるものの，最大ピーク強度値を比較すると，脱灰群では経時的な増幅を認めたのに対し，コーティング材塗布群では増加した値が減衰し，初期値に近づく傾向認められた。今後，超音波測定も含め，その有効性を検証する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験条件に関しては，これまでの申請者の行ってきた研究をベースとしており，OCTを用いた試片の観察については問題なく実施を行えている。また，超音波装置を用いた脱灰状態の把握に関しては，至適な周波数の決定を行うことができたところから，それに従った実験プロトコールを組み立てることで予定通りの検討を行うことができるものと考えている。いずれにしても，研究におけるスピード感は必要であるものの，着実なデータの蓄積に関して十分留意しながら検討を進める必要があろうと考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
再石灰化に寄与するイオンに関して，亜鉛イオンに着目することして，継続した検討を行うものとする。また，イオンを供給する媒体として，塗布をすることで数ミクロンの皮膜を形成することし，超音波測定を行うことで，その脱灰抑制ならびに再石灰化に及ぼす影響について，超音波測定を行うことによって検討を行う。さらに，形態学的な検討として，走査電子顕微鏡ならびに適宜共焦点レーザー顕微鏡を用いることによって，表面性状ならびに深さ方向の変化についても検討を進める予定である。これらの検討に関しては，申請者のこれまでの実績から技術的な問題はなく，さらに使用する研究機器に関してもすべて現有であるところから，今後の研究の推進には何ら問題はない。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究に用いる器具等の調達の状況と，年度末の調達における締め切りとの兼ね合いとともに，次年度に持ち越す資金によってさらなる研究の発展が望めることが考えられたところによる。
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