研究課題/領域番号 |
17K11717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
武市 収 日本大学, 歯学部, 准教授 (10277460)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 難治性根尖性歯周炎 / 歯根肉芽腫 / ヘルペスウイルス / Epstein-Barrウイルス / 再活性化 / Fusobacterium nucleatum / ZEBRA / BZLF-1 |
研究成果の概要 |
歯根肉芽腫からEBVを検出したが、健常歯肉組織からは一切検出できなかった。歯根肉芽腫中のEBV感染細胞はB細胞であった。難治性根尖性歯周炎関連細菌7菌種の検出を行ったところ、Fusobacterium nucleatumが①最も優位である、②最も高い酪酸産生能を示す、③最も高いBZLF-1のルシフェラーゼ活性を示すことが明らかとなった。Daudi細胞を用いてEBVの再活性化能を検索したところ、F. nucleatumが最も高いBZLF-1遺伝子およびZEBRAタンパクの発現を誘導した。 本研究により歯根肉芽腫に潜伏感染したEBVはF. nucleatumの関与により再活性化することが示唆された。
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自由記述の分野 |
歯内療法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根尖性歯周炎は口腔内常在菌による細菌感染症であると認識されていたが,難治性根尖性歯周炎にはEpstein-Barrウイルス(EBV)が感染していること、EBVが根尖性歯周炎の発症と遷延に関わっていることが明らかとなった。また、EBVは潜伏感染し炎症を誘発することはないが、難治性根尖性歯周炎関連細菌であるFusobacterium nucleatumが潜伏感染EBVを再活性化することから、炎症メディエーターの発現を誘導する可能性を示唆した。 これらの結果から、EBVならびにウイルス研究が新たな治療法のターゲットとなりうることが示唆され、根尖性歯周炎の病因論という名の地図を塗り替える一助となった。
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