研究課題/領域番号 |
17K11727
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
小越 菜保子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60509115)
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研究分担者 |
大山 秀樹 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90280685)
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
木村 吉宏 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00351388)
中島 世市郎 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10720691)
寺井 陽彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70207471)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯根嚢胞 / インターロイキン22 |
研究実績の概要 |
近年,根尖性歯周炎の病態における免疫機構の解明が進んでいる。根尖性歯周炎において,慢性の炎症性刺激によって上皮が増殖して歯根嚢胞が形成されると考えられていることから,免疫細胞から産生され上皮細胞に働き,感染防御および組織再生に重要な役割を果たすことが知られているIL-22 に着目した。本研究は,IL-22 が歯根嚢胞の病態形成に及ぼす影響を明らかにし,その制御の可能性を探ることを目的とする。そのために,ヒト歯根嚢胞の病巣局所におけるIL-22 レセプター (IL-22R) の発現様態を把握し,細菌感染様態や炎症状態との関連を明らかにすること,および歯根嚢胞を構成する細胞に対するIL-22 の感染防御や組織再生といった生物学的活性に及ぼす影響を明らかにすることを計画した。 昨年度は,ヒト歯根嚢胞の病巣局所におけるIl-22およびIL-22Rの発現をmRNAレベルで確認した。そこで本年度は,歯根嚢胞の組織から細胞株を樹立し,解析する系を確立した。大阪医科大学研究倫理委員会の承認を得た研究計画(承認番号:臨548 (2264))に従い,同意の得られた患者を対象として,手術時摘出組織を採取した。歯根嚢胞5症例(年齢41-66歳,男女比4/1)とコントロールとして歯根嚢胞以外の顎骨嚢胞9症例(年齢22-69,男女比7/2)から,歯根嚢胞由来の細胞株15,歯根嚢胞以外の嚢胞由来の細胞株22を樹立することができた。現在,得られた細胞の性質を,上皮細胞,マラッセ上皮遺残細胞および間葉系細胞に特徴的なマーカー遺伝子の発現を調べることによって評価している。さらに樹立した細胞株を用いてIL22に対する応答性の違いを評価する系を確立した。今後,さらに症例数を増やし,この系を用いて歯根嚢胞由来細胞の特徴を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例の検討に時間を要したため,臨床材料の採取が遅れている。また,手術時に採取した病巣局所の組織から細胞株を樹立する方法を確立するために予定より時間を要したため,当初の研究計画よりも進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた細胞株の性質を,上皮細胞,マラッセ上皮遺残細胞および間葉系細胞などに特徴的なマーカー遺伝子の発現を調べることによって評価する。さらに樹立した細胞株を用いてIL22に対する応答性の違いを評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究計画のうち,臨床サンプルからの細胞株の樹立に時間がかかったため,予定していた解析に必要な試薬および消耗品の購入のための費用は次年度に計画し直した。
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