研究課題/領域番号 |
17K11730
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研究機関 | 九州看護福祉大学 |
研究代表者 |
石川 裕子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40401757)
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研究分担者 |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
中富 満城 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10571771)
斎藤 浩太郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10733719)
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯髄 / Shhシグナル / 静的幹細胞 / マウス / 発生 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯の発生過程におけるShhシグナルと静的幹細胞維持機構、エナメル芽細胞分化との関係ならびにShhシグナルの役割を解明することを目的とする。 平成29年度では、以下の研究結果が得られた。 1.胎生期ラベリング法による検索:3週齢切歯において静的幹細胞と考えられるdense LRCsが歯乳頭と形成端の外エナメル上皮に局在し、Gli1およびPtch1を共発現していた。また、臼歯では、生後1日で多くのdense LRCsが歯髄中央部に分布し、成長に伴い減少、Gli1陽性細胞が2週以降で歯髄中央部に、Ptch1陽性細胞が3週以降に歯髄中央部で局在した。また、Shh-mRNA発現は、切歯では内エナメル上皮に発現し、臼歯では生後1日で内エナメル上皮に、3日以降で象牙芽細胞と歯髄にシフトする、などの結果から、静的幹細胞と思われるdense LRCsとShhシグナルの関与が示唆された(Cell Tissue Res. 369(3), 497-512, 2017)。 2.TetOP-H2B-GFPマウスによる検索:現在、生後1日から5週齢までのパラフィン切片を作製し、静的幹細胞と考えられるGFP陽性細胞とGli1発現について解析中である。 3.in vitro実験:生後2日仔マウスの下顎切歯を取り出しTrowell法にてShh阻害剤である5E1を培地に4日間添加(26μg/ml)器官培養を行い、パラフィン切片を作成し、免疫化学的に解析を行った。その結果、5EIにより細胞アポトーシスは形成端、間葉ともに増加、Sox2陽性細胞は形成端でコントロール群より少ない傾向がみられた。さらに、Shh陽性細胞は内エナメル上皮側でコントロール群より少ない傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胎生期ラベリング法による実験では、本年度、Shhシグナルと静的幹細胞維持機構結果の報告を行った。TetOP-H2B-GFPマウスによる実験では、P1~P5Wの標本を作成し解析中である。5E1を使用したin vitro実験については、平成30年度にTetOP-H2B-GFPマウスを使用して行う予定であり、その前段階として平成29年度はICRマウスを使用して行った。
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今後の研究の推進方策 |
TetOP-H2B-GFPマウスの実験については、引き続き経時的データを増加し、胎生期ラベリング法による実験結果と比較する予定である。5E1を使用したin vitro実験については、個体数が少なかったので、個体数を増加し結果を確定する。また、同方法でTetOP-H2B-GFPマウスを使用した実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者との打ち合わせおよび実験回数が予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。実験に必要な材料費、研究成果の公表費等に使用する予定である。
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