研究課題
本研究は以下の項目を通して直接覆髄・断髄、さらには根尖性歯周炎により破壊・吸収された骨や歯周組織の再生に有効な光硬化型スキャホールドを開発することを目的としている。すなわち(1)材料の調整および最適化(2)覆髄・歯髄再生能評価(3)歯周組織再生能評価である。スキャホールドには材料の安定性が求められているがその一方創傷治癒まで速やかに消失することが必要であるという相反する特性を実現する必要がある。本年度は昨年度に引き続き可視光硬化型ゼラチンが上記機能を有しているかどうかの確認を行った。1.可視光硬化ゼラチンにpoly(ethylene glycol) diacrylate(PEGDA)を添加したところ硬度が増し、溶解速度も遅くなることが確認された。また硬度はリボフラビンよりもローズベンガルを光増感剤として使用した場合のほうが増すことも明らかとなった。2.ナノバブル水を使用したところ、溶解速度がやや遅くなることが確認された。本研究で使用している可視光硬化型ゼラチンは手術後の癒着防止に効果がありなおかつ薬剤を徐放することが明らかとなったと報告がされている(Inter.J. Biological Macromolecules 120:915-920)。また可視光の照射は1回より2回のほうが効果があると述べられている。今後本研究はこの結果をもとに創傷治癒を歯周組織再生能に応用した研究計画を立案し、特に照射に関しては2回照射を行いその効果について確認する予定である。
2: おおむね順調に進展している
本研究では直接覆髄・断髄、さらには根尖性歯周炎により破壊・吸収された骨は歯周組織の再生に有効な光硬化型ゼラチンの再生に有効な光硬化型スキャホールドを開発することを目的としている。今年度は昨年度に引き続き可視光硬化型ゼラチンに求められる物性について評価を行った。その結果PEGDAを添加することにより硬度が増し、溶解速度も遅延することが確認された。
本研究では以下の項目を通して直接覆髄・断髄さらには歯髄再生、根尖性歯周炎により破壊・吸収された骨や歯周組織の再生に有効な光硬化型スキャホールドを開発することを目的としている。すなわち(1)材料の調整及び最適化(2)覆髄・歯髄再生能評価(3)歯周組織再生能評価である。平成30年度は平成29年度に引き続き(1)材料の調整及び最適化について一定の評価を得ることができた。平成31年度は(2)覆髄・歯周組織再生能評価(3)歯周組織再生能評価についての実験を行う予定である。
当初調整した試料の分析等のための機器使用料を計上していたが機器使用料が発生しなかったため次年度繰越となった。繰越金は試薬類、器具類購入に加える予定である。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
International Journal of Biological Macromolecules
巻: 120 ページ: 915-920
http://doi.org/10.1016/j-ijbiomac.2018.07.180