研究課題/領域番号 |
17K11732
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研究機関 | 日本歯科大学新潟短期大学 |
研究代表者 |
宮崎 晶子 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 准教授 (50240271)
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研究分担者 |
佐藤 治美 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 准教授 (60269553)
佐藤 律子 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 准教授 (50178787)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯科衛生士教育 / 眼球運動 / ラバーダム防湿法 / デモンストレーション / 成績 / 視知覚 / 器具の受け渡し |
研究実績の概要 |
歯科衛生士教育は3年間という限られた年限の中で、歯科に関する知識・技術・態度を習得する。専門職教育に必要なカリキュラムの学習効果を最大限発揮させるには、科学的根拠に基づいた歯科衛生士教育が不可欠であり、申請者らは平成24年度から『眼球運動の軌跡解析によるヒューマンエラー削減のための効果的な教育法の確立』(平成24~26年度科学研究費)で眼球運動(視知覚)による認知パターンの違いによって作業時間や視線の配り方に違いがみられることを明らかにしている。臨床に即した実践的な教育を行うには視覚素材は有効であるが、同じ視覚素材によっても人によって見方は様々であり、モニターで提示し説明するだけでは十分な学習効果は期待できない。 本研究では、ラバーダム防湿法のデモンストレーションの見方について成績上位・成績下位の歯科衛生士学生の眼球運動を測定し、認知パターンを比較した。同時にどの位置で見るのか全体を撮影した画像から明らかにし、視野映像と合わせて解析した。さらにデモンストレーションの見るポイントや位置などを提示することで、どのように認知パターンが変化するか検証した。さらにラバーダム防湿法の診療介助の課題として、眼球運動の測定をしながら技術確認を行うことで、認知パターンだけでなく、正解(適切な診療補助)に至る時間も併せた学習効果を考察し、学習効率向上に関与する因子を明らかにして教育法を確立する。 そして、平成30年度に得られた観察希望位置とのずれと成績との関係も分析し、新たな知見を追加する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年12月1~2日の日本歯科衛生教育学会(新潟開催)にて、研究成果を2題ポスター発表を行った。「効果的なデモンストレーションの検討 第1報:歯科衛生士学生の立ち位置による見方の違い(共同研究者:佐藤治美)」、「効果的なデモンストレーションの検討 第2報:成績別視知覚パターンの分析(研究代表者:宮崎晶子)」
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今後の研究の推進方策 |
当該年度はラバーダム防湿法における「器具の受け渡し」という動作のデモンストレーションを見ている歯科衛生士学生の視知覚における認知パターンを成績上位の者と成績下位の者で比較を行った。当初は観察者(歯科衛生士学生)に対して模擬学生を点在させ、眼球運動の測定を行う予定だったが、より現実の実習に近い形をとるために1グループ8~10名を同時にポジショニングさせ、その後ポジションを取った位置から1名ずつ測定を行った。その結果、観察者から「本来取りたかった位置とは違う場所で見学することになった」など、実際の教育現場でも起こりうる問題点のデータも収集することができた。今後は、観察希望のずれと成績の比較を行い、その傾向を明らかにする。また、ラバーダム防湿法の器具の受け渡しの正解率を成績と比較し、分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、発表予定学会の開催場所が福岡であったため、共同研究者3名分の出張費を算出していたが、学会側の都合により、翌年開催予定であった新潟市に開催地が変更になった。これにより交通費および宿泊費の面でかなり減額となったため、残金が多く残る結果となった。今年度は実際にラバーダム防湿法における器具の受け渡しを行わせ、成績と正解率との関係を明らかにし、学会発表および論文投稿につなげていく。
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