研究課題/領域番号 |
17K11735
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
重光 竜二 東北大学, 大学病院, 助教 (00508921)
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研究分担者 |
田原 大輔 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (20447907)
小川 徹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インプラント / リモデリング |
研究実績の概要 |
今年度は,昨年度までに実施したインプラント埋入後の経年的骨形態変化データに引き続き有限要素モデルの構築を行った.以下に具体的手順を示す.東北大学病院にてインプラント義歯治療を受けた患者を被験者として,インプラント埋入前のDICOMデータとインプラント埋入12年経過後のDICOMデータから患者特異的幾何形状を抽出した.昨年度に求めたカットオフ値を設定することにより,異なる2時点において妥当性のある骨領域のROI抽出を行い,CT値から算出した骨密度に対応した材料特性を与えることにより顎骨内部の材料不均質性を再現した.ヤング率はKeyakの関係式より設定し,等方性・不均質とした.インプラント体,センサー設置用ジグ,および圧電式センサーの形状はマイクロフォーカスX線CT装置で撮影しDICOMデータに変換した後にSTLファイル化しモデルにインポートした.インプラントコンポーネントを一体型として抽出することにより,インプラントと各コンポーネントの相対的位置関係を再現している.また,顎骨と各インプラントの位置関係については,インプラント埋入後12年経過時のCT画像と同様にFEAソフトウェア上で,位置合わせを行った.インプラントコンポ―ネントの材料特性は純チタン製で等方性・均質とした.各モデルともに下顎枝後方の小領域を6自由度完全拘束した.骨-インプラントインターフェイスは完全固着とした. 現在,口腔内実測荷重を用いた解析を進行中であるが,顎骨内の力学挙動はインプラント埋入前と埋入後では異なる傾向が認められており,被験者の12年間の顎骨リモデリングによる影響を分析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの分析結果に基づき,リモデリングシミュレーションは順調に進行している.インプラント義歯を装着している被験者に限定した結果ではあるが,力学挙動に対するリモデリングの影響は認められており,今後も機能力が加わった際の支持骨およびインプラントコンポーネントにおける影響の分析を進めていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
本年度までに構築した有限要素モデルを用いてリモデリングシミュレーションを継続する. 材料非線形の再現や動的荷重条件の設定など,非線形有限要素解析の特性を生かし,臨床的な示唆を得る上で妥当性のあるシミュレーションを実施していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度の使用計画に合わせて執行予定である.
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