研究課題/領域番号 |
17K11742
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大木 明子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10345225)
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研究分担者 |
上條 真吾 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40725222)
鈴木 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60179231)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯学 / 補綴・理工系歯学 / 顎顔面補綴学 / 顔面補綴 / 三次元光学スキャナー / エピテーゼ / アディティブマニュファクチャリング |
研究実績の概要 |
腫瘍や外傷などにより顔面に欠損を生じた場合、形成外科的な形成術を行わないもしくは併用し、エピテーゼと呼ばれる補綴装置を製作し装着することができる。エピテーゼを製作するためには現在、顔面印象が行われている。顔面印象は印象材の重みによる顔面の変形や呼吸の管理が必要などの問題点がある。また、三次元的な形態を再現することが難しく、製作者の高度な技術が必要になる。近年、CAD/CAM技術の進歩により、コンピューターを用いてエピテーゼを製作する試みがなされてきている。三次元スキャナーによる光学印象は、短時間で顔面の三次元形状データを取得することができ、色情報も得ることが可能であるが、欠損部深部の形状や光の反射によるデータの欠落など、エピテーゼを三次元造形するためには製作方法についてさらなる検討が必要である。本研究の目的は、光学印象により得られる三次元形状データを用いてコンピューター上で形状データを構築し、三次元スキャナーによる色情報を利用してエピテーゼの設計を行い、三次元CAD/CAM技術を用いて顔面印象を行うことなくより審美的なエピテーゼを製作するための造形製作技術を開発することである。 平成29年度は、ハンディタイプの三次元光学スキャナーにより健常者6名の顔面データを取得、三次元プリンターによりモデルを造形し、顔面印象により得られた顔面模型の三次元形状データと比較した。さらに、開眼、閉眼による形状の変化を比較し、エピテーゼを製作するにあたり、顔面の部位ごとの変位量を、開眼光学スキャンデータと造形モデル、閉眼光学スキャンデータと顔面模型、開閉眼の光学スキャンデータとの間で比較検討した。また、新たにハンディタイプの光学スキャナーを1台導入し、スキャナーの違いによるデータ精度の比較を試みた。その結果、顔面の形状データに差が認められ、耳部でのデータ取得が困難であり、改良が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
光学スキャナーの導入が少し遅れたため、アンダーカットの多い耳部に対する部位別評価ができなかった。また、色調データの構築についての検討が遅れている。 三次元光学スキャナーを用いた顔面形状と、顔面印象による模型との形状比較に関しては予定通り進行し、学会発表を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
導入した2つのスキャナーを用いて色調データに関する光源の影響を検討する。スキャナーの色情報データの検討にあたり、データデザインの技術者による協力を求めている。 顔面欠損を模した模型による欠損形状による影響を検討するため、三次元プリンターを用いて模型を造形し、検討する。 本研究の趣旨を説明し同意を得た顔面欠損患者1名に対し欠損患者のエピテーゼデータを作成することが可能になった。エピテーゼの作成方法について検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
消費税の差により1円だけ繰り越しが生じました。次年度は予定通り使用します。
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