研究課題/領域番号 |
17K11750
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大野 彩 (木村彩) 岡山大学, 大学病院, 助教 (20584626)
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研究分担者 |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
三野 卓哉 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10625718)
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 研究教授 (30377428)
笈田 育尚 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50625720) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | BMP-2 / 難治性骨欠損 / 人工骨膜 |
研究実績の概要 |
骨代謝により分解速度に影響を受けないPLGAをBMP-2のキャリアに使用することで,口腔インプラント体の長期安定維持に有利とされる皮質骨様構造をラットモデルで再生することに成功した.本申請研究は,臨床応用に向け,大型動物であるイヌを用い,インプラント周囲炎,歯周病により生じた硬組織欠損を再生する治療法として,BMP-2含有人工骨膜が有効な材料であるかを検討し,非臨床試験のための準備を進めることを目的としている.さらに,治療法が未だ確立されていない難治性骨折(偽関節)をはじめとした難治性骨疾患への応用を検討する.2017年度は,これまで開発を進めてきたBMP-2含有人工骨膜 (BMP-2含有PLGAメンブレン)の臨床応用に向け,イヌ難治性骨欠損モデルを作成し検討し,BMP-2含有PLGAメンブレンを応用することで,BMP-2含有beta-TCP群と比較し,再生された骨が長期に保たれていることをmicro-CT解析の結果から明らかにしてきた.2018年度は,本BMP-2メンブレンのインプラント周囲炎モデルでの検討を行うため,現在イヌインプラント周囲炎モデルを構築中である.具体的には,ビーグルイヌの下顎第1, 2, 3, 4小臼歯を抜歯後,3ヶ月の治癒を待って,チタン製の口腔インプラント体を顎骨に埋入した.埋入3ヶ月後に2次opeを行い,ヒーリングアバットメントを装着した.そして,ヒーリングアバットメント周囲に3-0の絹糸を巻きインプラント周囲炎を誘導している.2019年度にインプラント周囲炎が誘導され,骨吸収が生じた部位に本開発品を移植予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疾患モデル動物を作製し,本申請研究における開発品の有用性の検討が終了しており,概ね順調に研究が進行していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2018年度からビーグルイヌの下顎第1, 2, 3, 4小臼歯を抜歯後,3ヶ月の治癒を待って,チタン製の口腔インプラント体を顎骨に埋入し,3ヶ月後に2次opeを行い,装着したヒーリングアバットメント周囲に3-0の絹糸を巻きインプラント周囲炎を誘発してきた. 2019年度は本モデルに対し本申請研究の開発品を移植し,2, 4ヶ月後に組織を回収し,micro-CTによるX線学的解析および組織学的解析を行い,有用性を確認する.
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次年度使用額が生じた理由 |
モデル動物の作製に時間を要したため,2019年度に予算を持ち越すこととなった.しかし,問題なくモデル動物を作製することができたため,計画自体は概ね順調に進んでいる.
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