• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

口腔機能データを補綴装置の設計に応用するCAD/CAMシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K11752
研究機関広島大学

研究代表者

田地 豪  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 准教授 (80284214)

研究分担者 二川 浩樹  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (10228140)
小川 匠  鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
井川 知子  鶴見大学, 歯学部, 助教 (70552389)
木原 琢也  鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (50796399)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード口腔機能 / 補綴装置 / CAD/CAM
研究実績の概要

咀嚼やパラファンクション等による過大な力は、負担する補綴装置や残存組織へ悪影響を及ぼすと言われているが、長期的な口腔機能の回復維持を目的とした補綴装置の設計に、患者の咬合による力を反映するには至っていない。そこで本研究では、構造力学的解析を通じた信頼性の高い補綴装置の製作を目指し、歯・顎骨・歯周組織を正確に再現した解剖学的形態データに、咬合接触・咬合力の口腔機能データを統合することで評価を行い、最適化した補綴装置をデジタルデータから加工製作する歯科用CAD/CAMシステムを構築することとした。
平成29年度の研究実施計画は、生体硬組織・軟組織モデルの生成と有限要素モデルへの変換を行うことにより、「生体硬組織・軟組織を再現した高精度3次元有限要素モデルの構築」とした。歯列と歯肉形態は、患者の歯列を口腔内スキャナを用いてダイレクトに3次元モデルを取得、もしくは歯列模型を3次元スキャナーを用いて取得した。骨形態と筋走行は、CT画像データから3次元再構築ソフトウェアを用いて3次元モデルを作成した。骨密度に関しては、CT値よりMischの分類を用いて5段階の密度に分類したモデルを構築した。また、歯周病や骨隆起など咬合が原因で発生すると考えられる病態や補綴装置の設計に影響を与える因子を組み込んだ病態モデルの作成を行った。さらに、得られた3次元モデルを3次元データ処理ソフトによりポリゴン編集を行い、要素分割ソフトを用いて力学的シミュレーションが可能な有限要素モデルへの変換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯列と歯肉形態は、患者の歯列を口腔内スキャナ(Trophy)を用いてダイレクトに3次元モデルを取得、もしくは歯列模型を3次元スキャナー(RexcanDS)を用いて取得した。骨形態と筋走行は、CT画像データから3次元再構築ソフトウェア(Mimics)を用いて3次元モデルを作成した。骨密度に関しては、CT値よりMischの分類を用いて5段階の密度に分類したモデルを構築した。また、歯周病や骨隆起など咬合が原因で発生すると考えられる病態や補綴装置の設計に影響を与える因子を組み込んだ病態モデルの作成を行った。さらに、得られた3次元モデルを3次元データ処理ソフト(Rapidform2006)によりポリゴン編集を行い、要素分割ソフト(MedicalSTL)を用いて力学的シミュレーションが可能な有限要素モデルへの変換を行った。

今後の研究の推進方策

平成29年度に生体硬組織・軟組織を再現した高精度3次元有限要素モデルの構築を行ったので、平成30年度には、口腔機能データ(咬合接触・咬合力)の計測や3次元モデルへの咬合データの統合を行うことで、歯列形態データと口腔機能データの統合手法の確立を目指す。また平成31年度には、設計した補綴装置に対する有限要素解析や歯科用CAD/CAMシステムを用いた補綴装置の製作・評価を行うことで、構造力学的シミュレーションを用いた補綴装置の設計・製作ワークフローの確立を目指す予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、当初の計画に比べて旅費の支出額が少なかったため、次年度使用額が生じた。次年度の計画では旅費を少額にしており、次年度末には計画通りの支出が見込まれる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 生体デジタルデータの臨床での応用2018

    • 著者名/発表者名
      木原琢也、二川浩樹
    • 雑誌名

      QDT

      巻: 43 ページ: 258-269

  • [雑誌論文] Three-dimensional longitudinal changes of maxilla and mandible morphology during the predental period2017

    • 著者名/発表者名
      T. Kihara, Y. Kaihara, S. Iwamae, N. Niizato, S. Gion, T. Taji, K. Kozai, H. Nikawa
    • 雑誌名

      European Journal of Paediatic Dentistry

      巻: 18 ページ: 139-144

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi