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2019 年度 実績報告書

インプラントの表面形状によるぬれ性の制御とその生物学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K11755
研究機関九州大学

研究代表者

荻野 洋一郎  九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50380431)

研究分担者 古谷野 潔  九州大学, 歯学研究院, 教授 (50195872)
鮎川 保則  九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50304697)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードインプラント / ぬれ性 / 表面形状 / 細胞形態 / RhoA
研究実績の概要

インプラント表面の化学的特性である「表面のぬれ性(wettability)」に優れたインプラントが近年、開発され注目されている。しかし、優位性について詳細なエビデンスが不足していた。本研究では、これまで重要とされてきた表面形状の観点から、①表面処理(表面形状の改変:マイクロ、ナノ:スムースサーフェイス)によるぬれ性(即時、経時的)への影響、②表面形状とぬれ性の変化による細胞反応への影響を解析し、表面形状とぬれ性がオッセオインテグレーションにどう関わるか、またこれらの要素がどのようなメカニズムで作用するのかを細胞レベルで明らかにすることを目的とし、以下について明らかにできた。
①即時的にはぬれ性は表面処理(受動態化)により向上するが、24時間後にはぬれ性の顕著な低下がみられるものの、ナノサーフェイスは緩やかであった。
②ぬれ性の高い表面では細胞の伸展は良好であり、低下に伴い、形成する細胞突起は増加した。マイクロ、ナノサーフェイスではスムースに比べて細胞突起は多かった。またぬれ性の低下により細胞接着数は有意な低下を示した。
③細胞形態の制御に関わるRhoAの発現はぬれ性の低下に伴って上昇する傾向を認めたが、8週後のチタン表面上では、スムースサーフェイスのみ有意な上昇を認め、ラフサーフェイスでは認めなかった。これは、ラフサーフェイスではその表面形状の特徴から細胞の伸展の際にRhoAの発現を高める要素があり、この制御機構がぬれ性の変化によって引き起こされるものよりも優位であることが要因と考えられた。また細胞接着を促進する血清タンパクによってチタン表面を処理すると、細胞形態の回復とともに、RhoAの発現の低下させることが示された。
本研究よりぬれ性は部分的には細胞接着に影響を与えるものの、ラフサーフェイスでは細胞接着においてその影響は限定的であることが示された。

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公開日: 2021-01-27  

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