研究課題/領域番号 |
17K11767
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
木本 統 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (10267106)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 全部床義歯 / 軟質リライン材 / 知覚閾値 / 疼痛閾値 |
研究実績の概要 |
被験者は日本大学松戸歯学部付属病院に来院した上下顎無歯顎患者で、上下顎総義歯作製を希望する者とした。研究内容を理解し同意が得られた者を層別化したブロックサイズ4の層別化ブロックランダム法を用い、コンピューターソフトMicrosoft;Excel2016(Microsoft)により乱数表を作成し、割付け表に従い無歯顎患者を下顎通法義歯使用群(通法義歯群)と下顎軟質リライン材材使用食義歯群(軟質義歯群)に無作為割付けを行った。除外基準はⅰ)口腔内に感覚障害を有する者ⅱ)ペースメーカーを使用しているものⅲ)日本語の読み書きができないものとした。知覚神経機能の測定は、被験者を遮音した室内の歯科診療室に座らせ、N-CPT/Cを用いて測定を行った.測定には半球状双極電極(直径約2mm)を固定した電極板(18×6×3mm)を使用した。電極を口腔内に固定するため、光重合型スプリントレジン(スプリントレジン LC;株式会社GC)を用いて電極固定用の測定床を製作した。また測定床に義歯床用弾性裏層材(ソフリライナーミディアムソフト;株式会社トクヤマデンタル)を使用した。オトガイ神経の知覚神経の測定はN-CPT/Cを使用し、Current Perception Threshold (電流知覚閾値, 以下CPT)および疼痛閾値(Pain Threshold、以下PT)を用いて評価を行った。刺激周波数は2000Hz、250Hz、および5Hzとした。同時に被験者の咀嚼能力、口腔内の粘膜厚さ、最大咬合力、口腔水分量、旧義歯と新義歯の満足度、摂食可能食品、口腔関連QOL(OHIP-J-EDENT)を評価している。 現在軟質義歯群へ6名、通法義歯群へ6名の割付が終了し、ベースライン時の評価項目に統計的有意差がなく両群間で均等な無作為割付け臨床試験が行われていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年が経過した現在、軟質義歯群へ6名、通法義歯群へ6名の割付が終了し、ベースライン時の評価項目に統計的有意差がなく両群間で均等な無作為割付け臨床試験が行われていることが明らかになった。このことより、両群の均質性が担保される事が予測される。現時点で、新義歯調整完了後9名、3ヶ月後3名の測定が終了しているが1年後の最終最終評価まで終了している患者は0名である。しかしながら、被験者の取り込みが順調に行われ、有害事象も生じず研究自体が問題なく遂行できていることから「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はサンプリングを継続し、通法義歯群10名、軟質義歯群10名となった時点で中間解析を行う。この時再度サンプルサイズの計算を行う。計算に使用する平均値とSDは、それぞれの群から得られた実数を使用し、αは0.05そしてβは0.2とする。再計算した結果サンプルサイズが64名より少なくなる場合は、再計算後のサンプル数に達した時点で研究を打ち切る事とする。64名より大きくなる場合は、再計算後のサンプルサイズに到達できるように研究を加速させる。通法義歯群10名、軟質義歯群10名となった時点で補綴学会にて発表を行う。
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