シリコーン系軟質リライン材の下顎顎堤疼痛閾値に及ぼす影響を検討する目的で無歯顎患者を通法下顎義歯(通法義歯)装着群と軟質リライン義歯(軟質義歯)装着群の2群に無作為割付後、電流知覚閾値を測定した。2000 Hz、250 Hz、5 Hzの周波数での疼痛閾値が軟質義歯群において高くなることが明らかになった。このことは、シリコン系軟質リライン材を下顎全部床義歯に応用すると、無歯顎患者は下顎顎堤に痛みを感じ難くなることを意味している。軟質リライン材の疼痛抑制効果は材料の機械的特性に起因すると考えられてきたが、生理的効果もあることが示された。
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