研究課題/領域番号 |
17K11770
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (20228430)
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研究分担者 |
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (90547259)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | iPS細胞 |
研究実績の概要 |
申請者らはすでに、口腔軟組織由来iPS細胞の樹立を終え、iPS細胞由来の間葉系前駆(様)細胞への誘導も成功した。本申請では、iPS細胞からiPSMSLCのさらなる樹立効率を高める培養法を見出すとともに、iPSMSLCの安全性をゲノム異常と造腫瘍性と関連させて明らかにする。 理化学研究所バイオリソースセンターより譲渡された皮膚由来iPS細胞(409B2)を使用した。維持培養はon feeder条件にて行った。まず、409B2をmTeSR1にて3日間培養し、その後分化培地へと変更した。この際の細胞外マトリックスにはGrowth factor reduced matrigel(Corning)を使用した。分化培地はDMEM low glucose(Gibco)に10%FBS(Gibco)、10ng/mLbFGF(ReproCELL)を添加したもので、培地交換は2日毎に行い、14日間培養した。継代には、0.025%trypsinを使用し、播種はgelatin-coated plateに行った。分化はflow cytometry法にて、間葉系幹細胞のマーカー、造血幹細胞のマーカーおよび未分化マーカーの表面抗原を確認した。 さらに、安全性試験としてデジタルPCR法によってLin-28の発現を調べた。 4継代後、細胞形態は、線維芽細胞様に変化した。Flow cytometry法にて、間葉系幹細胞のマーカーであるCD73、CD29、CD44、CD90の陽性、造血幹細胞のマーカーであるCD34、CD45、および未分化マーカーであるTRA1-60、SSEA4は陰性であった。また、デジタルPCR法によって、Lin-28の発現は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
皮膚由来iPS細胞から作製した間葉系幹細胞はFlow cytometry法にて、間葉系幹細胞のマーカーであるCD73、CD29、CD44、CD90の陽性、造血幹細胞のマーカーであるCD34、CD45、および未分化マーカーであるTRA1-60、SSEA4は陰性であった。このことより、本作製方法を用いて皮膚由来iPS細胞から間葉系幹細胞を作製することが可能であるから。
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今後の研究の推進方策 |
作製したiPS由来間葉系幹細胞から骨芽細胞へと分化させる条件を探索する。骨分化培地を用い、21日間培養し、リアルタイムPCR法とアリザリンレッド染色によって骨芽細胞分化能を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
iPSでの培養期間が短く、間葉系幹細胞を作製後の培養期間が長かったため。iPS細胞の培養液ならびに間葉系幹細胞マーカーの購入に使用する。
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