研究課題
ガラス繊維による材質強化によるマウスガード(MG)の高機能化に関して、対衝撃面を補強し緩衝空間を設けることの有用性とその臨床応用を検討した。第一に、MGへのガラス繊維強化材料応用における加衝物と緩衝空間の広さの関係について実験的検討を行った。MGのガラス繊維強化と緩衝空間の設定により、衝撃伝播が効果的に緩やかなものとなることを明らかにした。一方、衝撃強さによりその効果特性が異なり、臨床応用にあたっては想定される衝撃に応じた緩衝空間の広さ設定などを検討することが必要と考えられた.そこで、4種試作MGの衝撃応答様相を高速度カメラで撮影し,加衝物の違いによる変化特性をデジタル3Dシステムソフトウェア(VIC-3D,レーザー計測)で解析・評価する実験系を構築した.ガラス繊維強化と緩衝空間それぞれの設定範囲組合せによってMGの衝撃応答様相が変化し,加衝物が変わるとその効果特性も変化することが推察された.そこで、衝撃時のMG衝撃応答様相に関して変位量の時間的解析とその周波数解析を進めることとした。加衝物が鉄球の場合の加衝撃方向変位量分析から、ガラス繊維強化と緩衝空間の設定した場合、側切歯への影響を軽減するような応答を示したのに対し、ガラス繊維強化のみで緩衝空間なしとした場合、側切歯にも衝撃を分散させて緩和させるような応答を示した。一方、加衝物が硬球の場合、ガラス繊維強化の影響は応答様相としては緩衝空間の設定には影響されず、変位量分析では変位量の減弱および遅延がみられ、周波数分析から低周波シフトがみられた.MGの高機能化においてガラス繊維による材質強化の有用性が明らかとなった.ガラス繊維と緩衝空間それぞれの設定範囲組合せによってMGの衝撃応答様相が変化し,加衝物が変わるとその効果特性も変化することから、想定される衝撃あるいは加衝物に見合った設計デザインを付与することが重要であった.
すべて 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Dental Sciences
巻: - ページ: -
10.1016/j.jds.2021.03.010
Dental Materials Journal
10.4012/dmj.2020-402