咬筋筋・筋膜痛の様相を解明することを目的とし,咬筋筋・筋膜痛を有さない健常被験者に生じる咬筋の圧痛が咬筋上の皮膚における体性感覚へ及ぼす影響を検討した。被験者は無痛最大開口量40mm以上,開口時に痛みを認めない44名とした。全被験者の右側咬筋中央部に手動式皮膚痛覚計にて1.0kgの機械的荷重を加え,被験者を咬筋の圧痛を認める群と認めない群に分類した。右側咬筋上の皮膚と右側第一背側骨間筋上の皮膚(対照部位)を測定部位として定量的感覚検査を行い2群間を比較、検討した。以上の検討より咬筋の圧痛の有無は深部の咬筋・咬筋筋膜における感覚の変化と咬筋上の皮膚における知覚の歪みに関与する可能性が示唆された。
|