研究実績の概要 |
[研究目的]:アパタイト光触媒配合歯磨剤を用いたブラッシングによるホワイトニングシステムの構築を目指し, 新規アパタイト光触媒配合歯磨剤と試作LED内蔵歯ブラシ(音波振動)によるホワイトニング効果について検討した. [材料及び方法]: HAP焼結体をMB水溶液中に1~4週間浸漬して着色モデルを作製した. この着色モデルに試作したアパタイト配合歯磨剤を塗布後, 歯ブラシ内臓LEDで光照射のみの場合, ブラッシング(音波振動)併用した場合のホワイトニング効果について検討した. ブラッシングは, 3種類の音波振動モードで1,5,10 min間行った. [結果と考察]:歯磨剤(アパタイト光触媒:10wt%)を塗布した着色モデル(L*:85.0~86.0,a*:-3.5~-2.5,b*:-11.0~-10.0)にLED内蔵歯ブラシで光照射(照射時間:1~10分)した結果,色差(ΔE a* b* 値)の増加がみられ,光強度が大きいほど,また照射時間が長いほど色差が大きくなった. このとき,L* 値の変化から明度は高くなり,b* 値の変化から青色の度合いは低下することがわかった. 次に, LED内蔵歯ブラシで音波振動を行った結果,色差は光照射のみの場合に比べて大きくなり,特にnormal modeでは,1 min, 5min, 10 minでそれぞれ1.3, 2.0, 2.5を示した. 音波振動モードによる色差への影響は,normal modeが最も高く,さらに音波振動時間が長くなれば色差の増加傾向が見られた.光照射のみでホワイトニング効果が得られたが, 音波振動を付加するとさらに良好な結果がみられた. アパタイト光触媒配合歯磨剤によるホワイトニングシステムは, 着色モデルにおいて優れたホワイトニング効果を示すことがわかった.
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