研究課題/領域番号 |
17K11793
|
研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
福田 竜弥 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90624833)
|
研究分担者 |
對木 悟 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90376765)
依田 哲也 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60242210)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 / 口腔内装置 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまでに我々のグループで行ってきたフィージビリティ研究の結果を発展させ、閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea: OSA)患者に対する新規治療法を開発することを目的としている。この新規治療法は、睡眠時に舌を吸引保持することにより上気道を確保する治療法であり、従来のOSA治療法と異なり、陽圧や下顎/舌前方移動を治療手段に用いない点を特徴としている。国外において類似デバイスが散見されるが、特に我々のデバイスは、舌位置を陰圧負荷により維持するための口腔部分、吸引装置、両者をコネクトするチューブの三つのパーツから構成される。平成29年度当初より、企業研究者を含む研究協力者との定例ミーティングを重ね、医学のみならず工学的専門的意見を積極的に聴取してきた。本研究の最終的なゴールが、ユーザーにより受け入れられる装置の開発であることから、量産を視野に入れつつも現段階では量産自体にウェイトを置くのではなく、デバイスの安全性と使用感に優れることを常に意識しつつ、各パーツの試作を繰り返し進めてきた。その結果、口腔部分にはシリコン製素材を用い、吸引装置にはセラミックスの超音波振動を応用した小型・薄型・静音のデバイスを用いることとなった。これまでに覚醒時にnon-OSA患者に対し試作したデバイスを用いた結果、舌位置維持と装着感において概ね良好な結果を得ることができた。以上より、若干のマイナーチェンジは必要であるものの、次年度にはOSA患者におけるデータ採得に向けた道筋が整った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに、平成29年度内に新規デバイスの基本構造を確立できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度はOSA患者データの採得に入り、治療効果や使用感などをもとにデバイスの修正を適宜加えていく。また、類似研究に関する国内外の動向を引き続き調査する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度はデバイス(口腔部分)の設計・試作・改良にとどめ、患者データ採得用に必要な装置作製を平成30年度に行うことに変更したため。
|