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2018 年度 実施状況報告書

メカノバイオロジー機構に基づくインプラント周囲骨リモデリング賦活化プロトコル

研究課題

研究課題/領域番号 17K11795
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 健太  東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (30792642)

研究分担者 小川 徹  東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
内藤 英樹  東北大学, 工学研究科, 准教授 (50361142)
末永 華子  東北大学, 歯学研究科, 助教 (00508939) [辞退]
佐々木 啓一  東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード歯学 / オッセオインテグレーション / インプラント / μCT / メカノバイオロジー / 高周波振動刺激
研究実績の概要

本研究は,メカノバイオロジー機構の理解に基づいたミクロスケールからマクロスケールの力刺激の最適化を行い,個体・部位レベルでの力刺激による骨リモデリングシミュレーションシステムの構築,インプラント周囲骨リモデリングを賦活化する力刺激プロトコルを提案することを目的とする.メカノバイオロジー機構の解明には,高解像度Na18F-PETの分子イメージングとFEAを用いたインプラント周囲骨骨代謝動態とFEMを用いた骨内応力分布との対応により,メカニカルストレス依存性の骨リモデリング動態の把握を行う.ミクロスケールからマクロスケールの力刺激の最適化に関しては,日常的な低周波機械刺激,低強度・高周波振動刺激(LMHF loading)および低出力超音波パルス刺激(LIPUS)を用い,それぞれのインプラント周囲骨への影響や組み合わせた際の効果を評価する.
具体的には、インプラントを脛骨や顎骨に埋入した種々の動物実験モデルを用いて、各種の刺激効果によるインプラント周囲骨への影響をμCTや組織形態学的検討にてその形態データおよびその変化様相を得たのち、その後のモデル作成やシミュレーション解析に用いる。
今年度は,ラット脛骨インプラント埋入モデルを用いたLMHF loadingとLIPUS刺激およびそれらを併用した際のインプラント周囲骨への影響の検索を行った.埋入後 1週および 4週にて屠殺し,片側脛骨は除去トルク試験に,対側はμCT画像解析および組織形態学的評価を行った.μCT画像解析では、LMHF loadingとLIPUSの併用群において,海綿骨領域において石灰化度が高くなる傾向が認められた.またビーグル犬の下顎骨に歯科インプラントを埋入したモデルでは、組織形態学的評価にて、一部の領域の骨密度がLMHF loading刺激群はコントロールと比べ高い値を示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物実験については,ほぼ計画どおり進行している.
今年度までは,ラット脛骨インプラント埋入モデルを用いたLMHF loadingとLIPUS刺激およびそれらを併用した際のインプラント周囲骨への影響を検索した.埋入後 1週および 4週にて屠殺し,片側脛骨は除去トルク試験に,対側はμCT画像解析および組織形態学的評価を行った.μCT画像解析では,インプラント周囲皮質骨及び海綿骨内に設定したROIの相対グレイ値(水=0,インプラント=100)により石灰化度を評価した.μCT画像解析では、LMHF loadingとLIPUSの併用群において,海綿骨領域において相対グレイ値が高値を示した.またビーグル犬の下顎骨に歯科インプラントを埋入したモデルでは、LMHF loadingの効果を治癒期間2週および8週にて評価した.組織形態学的評価にて、一部の領域の骨密度が刺激群はコントロールと比べ高い値を示した.

今後の研究の推進方策

H31年度は,刺激パラメータの違いについてさらに詳細な検討を行う.これまで行っていたインプラントに垂直方向の荷重に加えて,アバットメントや上部構造の着脱の際に生じるインプラント体を回転させるような荷重を付与した群を設定する.それらに対してμCT画像解析結果や組織形態学的評価(骨-インプラント接触率(BIC),インプラント周囲骨全体・皮質骨・海綿骨の骨密度)等の関連を検索し、既存の実験データ(低周波振動刺激,LMHF loadingやLIPUS刺激)と合わせより詳細なデータ解析を行う.
その結果をもとにFEMモデル作成にを行い,骨内応力分布と実際の骨反応とを照合させ当該モデルの妥当性を検証し,動物実験モデルや骨構造の違いによる生体反応について検討を加えていく.

次年度使用額が生じた理由

(理由)
次年度使用額は、当初計画していた今年度の実験が効率的に進行したことに伴い発生した未使用額であり、平成31年度の研究遂行により使用する予定である。
(使用計画)
今年度の使用予定としては、追加の動物実験、組織試料作製、データ解析および論文制作にかかわる経費、また研究打ち合わせ及び研究成果発表旅費としても使用予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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