研究課題/領域番号 |
17K11797
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
黒田 真司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (50323689)
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研究分担者 |
中田 秀美 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (30451967)
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ASCs / 体性幹細胞 / 脂肪組織 |
研究実績の概要 |
体性幹細胞の利用は倫理的問題の抜本的解決に繋がることから、再生医療の実現に向けて大きな期待がある。そこで採取が簡便な細胞を用いて、目的の細胞へ直接の分化誘導が可能となれば、今後の再生医療に大きく貢献すると考えられるため、これらの手法・手技を研究したい。脂肪組織由来幹細胞(ASCs)の数は、骨髄に含まれるそれの1000 倍となる報告もある。そこで、採取が簡便な頬脂肪から幹細胞を分離し、頬脂肪由来幹細胞の骨芽細胞分化方法の確立を目的とする。また動物実験による骨再生促進を評価して臨床応用を考察する。 ヒトの頬脂肪組織よりASCsを分離し、骨芽細胞に分化誘導することが目標であるが、先ずマウスの脂肪組織よりASCsを分離して、骨芽細胞分化誘導を行った。 すでに当研究室にあるヒトBMP-2 プラスミドを大量精製し、アデノウィルスに組み替えた。マウス皮下脂肪組織由来幹細胞に対する遺伝子導入、あるいは骨芽細胞分化誘導培地における細胞培養によって、骨芽細胞への分化誘導を確認した。そして、ASCsでは、特にCD90膜抗原を持つ細胞において、強い骨芽細胞分化を示した。また、ASCsは、骨髄由来細胞に比較して有意な骨芽細胞分化能を持っていることが明らかとなった。さらに、CD105膜抗原を持つ分画細胞においては、強い増殖能を示した。 ここまでの結果から、ASCsの増殖能および骨芽細胞分化能が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトBMP2遺伝子導入に関してはもともとプラスミドベクターに組み込まれているものを使用したため、すでにアデノウィルスコンストラクトを作製とASCsへの遺伝子導入に成功し、骨芽細胞分化誘導を行った。 立体コンストラクトの作製に関しては、細胞浸潤あるいは溶解性によってアテロコラーゲンやゼラチンの濃度を決定することになるが、条件の設定が難しくその部分が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験への準備として、生体材料(アテロコラーゲンゲル等)を用いた立体培養を考えている。また、動物モデルとしては研究計画で予定しているマウス下顎切歯抜歯窩を考えているが、大腿骨、頭蓋骨における骨欠損モデルを併せて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の実験内容が予定よりも進まなかったことで、物品費が抑えられた。次年度では、当該年度で行う予定であった研究内容を実施し、動物実験の準備を開始していく予定である。さらに、学術大会等における発表をしていく予定である。
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