インプラント周囲炎の不可逆性を幹細胞に対する傷害と捉えて、細菌由来リポ多糖(LPS)により生成される活性酸素(ROS)による傷害とDNA修復活性に着目して歯肉細胞や歯槽骨骨膜細胞との比較を通して、間葉系幹細胞(MSC)のLPSに対する感受性とその後の細胞応答機序の相違を明らかにすることを目的とした。結果は①LPSによる細胞増殖抑制作用は顕著なもので無く、ROSの関与は明確に出来なかった。②MSCと他の分化細胞のTLR4(Toll-Like Receptor4)の発現では前者が優位では無かった。③インプラント周囲炎はLPSの単独の作用よりは細菌の存在が圧倒的に影響を与えていることが確認された。
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