令和2年歯科保存学会春季学術大会(第153回)にて架橋形抑制コラーゲンにおける魚由来コラーゲンペプチドのin vitro石灰化に及ぼす影響を共同研究発表した。 本研究は,人獣共通感染症の可能性のない魚コラーゲンを足場材として用い、歯髄除去後の歯髄を再生する、真に細胞生物学的な歯髄治療法の可能性を多面的に解析し、新たな歯髄再生療法の開発を図ることを目的とする。再生医療を推進する上で基礎となる組織再生工学には、細胞、成長因子、足場の3項目が不可欠である。歯科保存学領域において特に歯内療法分野において今回、再生医療の原理・原則を導入した。確実で早期に歯髄欠損修復を進めることは歯の延命化が可能となり臨床上、極めて重要である。具体的な研究項目は、①ヒト歯髄幹細胞の特性の確認②魚コラーゲンを使った足場材の有効性・安全性の証明をin vitro、in vivoの系で検証する。予定であるSCIDラットが入手が難しくその代替実験として魚コラーゲンの大動物(イヌ)への応用の安全性と有効性を証明する実験を行った。 平成29年度歯科保存学会春季学術大会(第146回)にて魚コラーゲンを足場材とした犬における歯髄再生療法をポスターとして共同実験者として発表した。研究期間全体を通じて魚コラーゲンが足場材として哺乳類由来のコラーゲンの代替材料として有用であることを示唆した。
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