研究課題
基盤研究(C)
チタンに骨形成を促すスタチン系薬剤を固定し、その徐放性および生体親和性について検討を行った。その結果、チタンにアルカリ処理することで水酸基を増加させ、さらにドパミンを介してゼラチンと結合したフルバスタチンを固定することができた。コラーゲン分解酵素溶液中でフルバスタチンは徐放することが明らかになった。ラットの背部皮下組織に表面処理したチタンを埋入したところ、埋入1週ではリンパ球の浸潤が認められたが、重度の炎症は確認されなかった。
歯科生体材料
歯科用インプラントを埋入する際、母床骨が不足していると咬合力に耐えることができない。本研究では、母床骨の改善をインプラント材からアプローチするための画期的な方法であると言える。一方で、固定化したフルバスタチンの徐放を制御することを試み、生理食塩水中では徐放がみられなかったため、インプラント周囲炎のような炎症が生じ、上皮組織が侵入してくる際にスタチンを徐放し、骨形成を促す可能性があることが示唆された。