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2019 年度 実績報告書

オッセオインテグレーション理解のためのQCM法による基礎的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 17K11815
研究機関鶴見大学

研究代表者

早川 徹  鶴見大学, 歯学部, 教授 (40172994)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードオッセオインテグレーション / チタンインプラント / 水晶発振子マイクロバランス / QCM / タンパク質 / フィブロネクチン / アルブミン / 2段階吸着
研究実績の概要

チタン(Ti)インプラントを埋入すると生体内ではまずタンパク質の吸着が起こり,オッセオインテグレーションの獲得へと至る.生体内では種々のタンパク質が存在している.水晶発振子マイクロバランス(QCM)法を用いてTi表面へのタンパク質の2段階吸着について検討した.
タンパク質として,フィブロネクチン(Fn) およびアルブミン(Alb)を用い,以下の手順で吸着させた.すなわち,手順1) Fn-Alb系列:まずFn溶液を滴下し60分間吸着させた後に,Alb溶液を滴下し60分間吸着させた.手順2) Alb-Fn系列:最初にAlb溶液を滴下し60分吸着させた後に,Fn溶液を滴下し吸着挙動を60分間調べた.タンパク質総吸着量および見かけの吸着速度定数Kobsを得た.さらに,タンパク質吸着後に蒸留水で洗浄したTi表面の状態を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した.
その結果,両系列を比較すると,Fn-Alb系列よりもAlb-Fn系列の方がより大きな減衰を示した.1段階目の吸着では,FnはAlbよりも有意に吸着量が多かった.2段階目の吸着では,Alb吸着量は両系列で有意差は認められなかったが,Fn吸着量はFn-Alb系列よりもAlb-Fn系列の方が有意に大きくなった.また,吸着2段階目のKobsは,Fn,Alb共に吸着1段階目のKobsより遅くなっていた.AFM観察ではTi表面にAlbの残存が見られたが,Fnはほとんど残存していなかった.これより,AlbとFnとで吸着の強さに違いがある事が示唆された.
以上,Ti表面へFnおよびAlbを2段階吸着させた結果,吸着順序によって吸着挙動が異なることが分かり,Fnの吸着量はAlb吸着によって増大した.生体内では,種々のタンパク質が存在しており,Ti表面への吸着に影響することが本研究から裏づけられた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Fibronectin adsorption onto titanium surface with or without calcium ion modification.2019

    • 著者名/発表者名
      Hajime Suzuki, Koh Tsukagoshi, Akira Takahashi, Nobuaki Furuya, Hiroki Furuya, Kouji Enami, Yasufumi Yamanishi, Tohru Hayakawa
    • 雑誌名

      日本口腔インプラント学会誌

      巻: 32 ページ: 58-65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DNA/プロタミン複合体ペーストによるラット抜歯窩の骨形成2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木 一,高橋 璋,三島弘幸,早川 徹
    • 雑誌名

      日本歯科産業学会誌

      巻: 33 ページ: 15-21

    • 査読あり
  • [学会発表] QCM法によるフィブロネクチンおよびアルブミンのチタンへの二段階吸着解析2020

    • 著者名/発表者名
      廣田正嗣,早川 徹
    • 学会等名
      令和2(2020)年度春期第75回日本歯科理工学会学術講演会

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公開日: 2021-01-27  

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