研究課題/領域番号 |
17K11818
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
梅田 誠 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90193937)
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研究分担者 |
田口 洋一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (60434792)
楠本 哲次 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (70186394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 糖尿病 / インプラント周囲炎 / ペリオドンタルメディシン / LED |
研究実績の概要 |
骨髄由来ヒト骨髄間葉細胞(BMMC)は高い増殖能と骨芽細胞分化能を持っており,骨組織再生で重要な働きをすることが分かっている.我々はLED照射をインプラント周囲組織の再生に応用できないかと考え,LED照射のBMMCの増殖能や硬組織分化能に対する影響を検討した.高出力赤色LEDはヒト歯根膜幹細胞同様,BMMCの細胞増殖と硬組織分化を促進することによって新生骨形成を促すことが示唆された.その結果,BMMCは,LED照射によってWnt/beta-catenin経路を介して増殖および硬組織分化を助長することが示唆された.これらの実験結果は高出力赤色LEDが骨再生の新たな医療デバイスとしての可能性を示し,さらに 歯周治療の領域やインプラント周囲骨増生に有効なツールになる可能性が示唆される. 抗酸化剤のビタミンE(VE)は遺伝子発現の調節や細胞増殖の抑制などさまざまな代謝システムに関与しているが、II型糖尿病(DM)に由来するBMMCに対するVEの影響の詳細な調査は行われていない。本研究では、VEのII型DMに由来するBMMCに及ぼす影響を検討した。BMMCはDMのモデルであるGoto-Kakizaki(GK)ラットから分離し、異なるVE濃度でGK-BMMCの増殖、H2O2活性、抗酸化剤および炎症性サイトカイン産生について測定した。alpha-トコフェロールは細胞増殖を促進しなかったが、100μMでのH2O2活性は有意に高かった。 10μMのalpha-トコフェロールは炎症性サイトカインの遺伝子発現を増加させた。 100μMでのカタラーゼの発現は、他濃度よりも低かった。低濃度のalpha-トコフェロールは、GK-BMMCで優れた抗酸化および抗炎症特性を示した。 alpha-トコフェロールの欠乏は、DM患者などのBMMCの修復に役立つ可能性があることが示唆される。
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