研究課題/領域番号 |
17K11824
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
久保田 耕世 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10529689)
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研究分担者 |
松宮 朋穂 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30344592)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 口腔粘膜炎 / がん関連線維芽細胞 / 遺伝子 |
研究実績の概要 |
平成29年度は研究計画に従い、各種口腔がん由来がん関連線維芽細胞モデルの確立とRIG-I、TLR-3,4発現、サイトカインの発現について研究を施行した。①各種口腔癌由来がん関連線維芽細胞モデルの確立:歯肉癌(Ca9-22)と舌癌(HSC-3)由来の細胞株を使用した。口腔癌細胞と歯肉線維芽細胞をそれぞれ培養ディッシュで培養した後に、共培養ディッシュを用いて、共培養を施行、mRNAを抽出しcDNAを作成後にRT-PCRを施行した。②各種口腔癌由来がん関連線維芽細胞のRIG-IとTLR-3発現について:口腔癌細胞とがん関連線維芽細胞を比較したところ、TLR3の発現はがん関連線維芽細胞で低い傾向にある一方、RIG-Iではがん関連線維芽細胞で高い傾向にあった。また、これは口腔がん細胞の由来によっても差が認められた。③サイトカイン等の発現について:①と②の結果により、これらの初期免疫応答の違いがどの様なサイトカインの発現につながるかを検討した。主要な炎症性サイトカインであるIL-6やIL-8は口腔癌細胞では発現が低い傾向にあるも、がん関連線維芽細胞では発現が高い傾向にあった。また、正常歯肉線維芽細胞と比較し、がん関連線維芽細胞ではCOX-2,VEGF(血管内皮細胞増殖因子)が発現が上昇している傾向にあった。このことより、がん関連線維芽細胞は歯肉線維芽細胞と比較し特異的な免疫機序を有していることが示唆された。この結果をもとに、研究計画に従い、平成30年度も進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、がん関連線維芽細胞モデルの確立を行い、TLRs、RIG-Iや炎症性サイトカインの発現についても検討を進められているため
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、研究を進める予定である。昨年度の研究でがん関連線維芽細胞が特異的な免疫応答能有していることが示唆されている。そのため、口腔粘膜炎のみならず、がん免疫についても検討していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費を厳密に調整の上、執行していたため、次年度使用額が生じた。次年度の物品費や研究成果報告のための旅費に使用する予定である。
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