研究課題/領域番号 |
17K11829
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
川崎 真依子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40584587)
|
研究分担者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 口蓋裂 / 一次繊毛 / Ofd1 |
研究実績の概要 |
ヒトにおける先天異常の中で最も頻度の高い疾患の一つであり、この高い発症率は「生体の中で口蓋形成が、分子レベル、環境レベルでの変異に最も敏感な構造体」であることを示している。Oral facial digital typeI syndrome (OFD1 syndrome)は、口腔、顔面、手指に先天異常を呈する疾患で、この症候群の患者には、口蓋裂が認められる。近年、その原因遺伝子としてOFD1 が発見された。本研究は、このOfd1の欠損マウスを用いて、口蓋形成メカニズムの解明を目指す。Ofd1は、中心小体や一次繊毛の基底小体に局在するため、ほぼ全ての細胞に存在する。そこで、Cre-LoxPシステムを利用してOfd1の組織特異的欠損マウスを作成・検索することにより、どの部位のOfd1が口蓋形成に重要かを検索した。Osr2CreまたはWnt1Creを交配して作成したOfd1の間葉特異的欠損マウスであるOfd1fl/fl;Osr2Creマウス、Ofd1fl/fl;Wnt1Creマウスに口蓋裂が確認された。前年度に確認できたOfd1欠損マウスの口蓋裂が、一次線毛による機能変化によるものかを検索するために、Ofd1欠損マウスと同様に、Osr2CreまたはWnt1Creを利用したIft88欠損マウスを作成したところ、Ofd1欠損マウスと同様の口蓋裂を認めた。さらに、口蓋裂付近にアポトーシスと過剰な骨形成が認められ、それらに関連性が確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ofd1欠損マウスで認められた口蓋裂が、Ift88欠損マウスでも認められたことは大きな進展であった。さらに、アポトーシスと過剰な骨形成が認められ、それらに関連性も確認できたことは、今後の展開を考えていくためにも、非常に大きな示唆となった。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、口蓋裂の認められたOfd1fl/fl;Osr2Creマウス、Ofd1fl/fl;Wnt1Creマウス、Ift88fl/fl;Osr2Creマウス、Ift88fl/fl;Wnt1Creマウスにおける分子変動をマイクロアレイ、in situ hybridization, 免疫染色、などで検索する。特に、器官発生に重要な役割を担うことが知られているShh, Fgf, Wnt, Tgfなどのシグナル経路の活性の検索には注意を払う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度の消耗品購入予定です。
|