研究課題/領域番号 |
17K11830
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
川口 知子 (武田知子) 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30509815)
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研究分担者 |
飯田 一規 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30585237)
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226172)
畠山 大二郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60377653)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯髄細胞 / エクソソーム / ハプロタイプホモ |
研究実績の概要 |
我々が樹立・保有する約300人分のヒト智歯歯髄細胞(DPC)に含まれていた3種類のHLAハプロタイプホモ(HHH)細胞は日本人の約25%に移植適合を示す。我々は、これらのHHH細胞からiPS細胞を誘導し、再生医療資源として利用するための研究を続けている。近年、間葉系細胞の培養上清中に含まれる小胞「エクソソーム」 が、様々な生理活性を示すことがわかってきた。しかしエクソソームにもHLA分子が含まれている可能性があり、患者の体内でHLA分子の抗体が作られると、免疫的なエクソソームの排除を免れない。また最近、単離されたエクソソームには、血清由来成分やフィーダー細胞由来の成分などが含まれているという報告がなさ れているので、3種類のHHH-歯髄細胞を無血清で培養したものとHHH-iPS細胞をフィーダー細胞なし無血清で培養した細胞の培養上清中に含まれるエクソソーム を精製し、免疫的なエクソソームの排除を起こさないエクソソームの安定した精製技術を開発を目指す。まず、昨年度は、保有する3種類のHHH-歯髄細胞を、すでに報告済みの無血清の培養条件のもとで準備した。それから3種類のHHH-歯髄細胞から別々の方法でHHH-iPS細胞を誘導し、それをフィーダー細胞なし無血清で培養した細胞も準備した。準備された各々の培養上清中に含まれるエクソソームを超遠心法およびキットを用いた方法で精製し、精製されたエクソソームの性質についてサイズや発現タンパク等を比較・精査した。そこで今年度は得られた各々のエクソソームからRNAを回収してマイクロアレイ分析や、電子顕微鏡にて解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた無血清培地の販売が遅れおり、違う無血清培養条件に変更して実験を行った。そのため昨年の遅れを少し取り戻すことがきた。
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今後の研究の推進方策 |
前年に続き、準備された各培養条件下で継代されたHHH-DPCおよびHHH-iPS細胞を用いて、エクソソームを精製し、エクソソームの収量を増大するために、それに 適した分子経路を特定し、それらの因子を適切に制御する技術を探索する。 また、最近の研究から間葉系幹細胞の分泌するエクソソームが様々な疾患(心筋障害、腎疾患や脊髄損傷など)に対して治療効果を示すことがわかってきているため、間葉系細胞であるDPCおよびiPS細胞の分泌するエクソソームでも同様の治療効果があるか、また安全性について確認する。
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