研究課題
各種口腔癌細胞株におけるSema4Dとその受容体PlexinB1の発現をウエスタンブロット法にて解析した.また,Sema4Dが口腔癌細胞に与える影響について,細胞増殖能をMTS assay,遊走能をMigration assay,浸潤能をInvasion assayでそれぞれ検討した.HSC-2,HSC-3,SAS細胞はSema4Dおよびその受容体PlexinB1を発現していた.MTS assayでは,HSC-2,HSC-3,SAS細胞のすべてにおいて,Sema4D添加により細胞増殖の促進を認めた.Migration assayでは,Sema4D添加により濃度依存的に遊走した細胞の増加を認め,細胞遊走能の促進を認めた.Invasion assayにおいても,Sema4D添加により,濃度依存的に浸潤した細胞の増加を認め,細胞浸潤能の促進を認めた.マウスの大腿骨から骨髄細胞を採取し,破骨細胞の形成能の検討を行った。C57BL/6Jマウスの大腿骨から骨髄細胞を回収し、macrophage colony-stimulating factor(M-CSF)を添加した.翌日,浮遊している細胞のみを回収し,M-CSFを添加して3日間培養を行った.その後,浮遊細胞は洗い流し,接着細胞のみを再度回収して,Bone marrow macrophages(BMMs)としてプレートに播種し、Sema4Dを添加して6日間培養した.培養後,酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ染色(TRAP染色)を行った.破骨細胞数の評価として,3核以上をもつTRAP陽性の細胞を破骨細胞として計測した.Sema4D添加群においてTRAP陽性である破骨細胞数は有意に増加した.
2: おおむね順調に進展している
In vitroの実験は予想通りの結果が得られており、In vivoの実験のための準備が整って来ている.
各種口腔扁平上皮癌細胞株にRNA干渉によりSema4D発現抑制細胞株を作製し,ヌードマウス大腿骨傍骨膜に移植を行い,骨浸潤モデルでのその影響を検討する予定である.現在、HSC-2のSema4D発現抑制細胞株は作製済である.移植後,経時的に腫瘍サイズを計測し,4週後に大腿骨を摘出し,組織学的に解析する予定である.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
International journal of oncology
巻: 51 ページ: 625-632
10.3892/ijo.2017.4050